ジャパンディスプレイ(JDI、東京都港区)は、次世代パネルの有機ELの量産に伴い、能美工場(能美市岩内町地内)の増築を計画している。
JDI関連会社で、有機ELの研究・開発を行うJOLED(東京都千代田区)が投資する。設備投資などにあたっては1000億円を増資する計画で、国内企業を中心に出資を募り、年内にも資金調達のめどを付けたい意向だ。
JDI広報によると、能美工場の既存ラインでは、液晶パネルと有機ELの両方の製造に利用できる設備があるが、有機ELの製造に利用できない設備もあるという。
この設備を新たな設備に更新するにあたり、既存工場の床面積が足りないことから、建て増しを検討していくことにした。
資金調達などが順調に進めば、18年後半にも増築計画を具体化し、設備投資を経て、有機ELに関する量産を19年後半に開始したい考えだ。
JDIは、赤字脱却のための構造改革の一環として、液晶パネルを生産している能美工場を年内にいったん停止する。出資を募った上で新たな製造設備を導入し、有機EL生産拠点として操業を再開する。
有機ELは次世代のディスプレー技術。液晶よりも明暗を鮮明に表示でき、厚みも薄くできることからスマートフォンやテレビ、医療用モニターなどでの採用が広がっており、今後の市場拡大が確実視されている。
JOLEDは現在、川北町のJDI石川工場内で独自技術「印刷方式」を用いて有機ELを試作している。この技術を能美工場に導入し、量産化を図る構えだ。