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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/10/20

【茨城】平準化の取り組みへゼロ債43億円

 県土木部は18日の定例県議会土木企業委員会で、10月補正予算案の概要などについて説明した。このうちゼロ債務負担行為として14件43億5450万円を設定した件について、富永幸一土木部長は「品質確保はもとより、地域建設業者の維持や働き方改革に資するもの」と期待を込めた。ゼロ債務負担行為に設定した事業は、来年2〜3月上旬には契約を完了、4月には工事が稼動している状況とすることで、工事の平準化を図る。このほか、八間堀川の整備状況や県内におけるスマートICの状況などについても説明した。
 県全体における10月補正予算約58億2600万円のうち、土木部関係が約43億9100万円と県全体の75・4%を占める。主な事業では直轄事業負担金の増額やICアクセス道路の整備のほか、防災減災対策の追加実施を盛り込んだ。
 また、来年度に向けて公共工事の平準化を図るため、ゼロ債務負担行為を設定。2〜3月上旬には契約を完了し、4月には工事が稼動している状況とできるよう、交通安全施設整備など県民生活の安全安心向上に資する事業(30億3000万円)、河川・砂防、防波堤整備など出水期前に効率的に施工すべき事業(4億4450万円)などに限定し、今回の補正予算案に14件43億5450万円を設定した。内訳は国補公共事業が6件32億5000万円、県単公共事業が8件11億450万円。
 ゼロ債務負担行為は、債務負担行為のうち契約当該年度は支払いを行わず(支出ゼロ)とし、全額を翌年度の支出とするもの。年間を通じて一定の工事稼動量を確保することで、労働力や建設資材の安定的な確保につながり、品質確保はもとより、地域建設業者の維持や働き方改革に資する。土木部は、これまでも年間を通じた切れ目のない発注や早期発注などに努めてきたが、より平準化を進めるため、ゼロ債務負担行為を活用する。
 全国では、すでに40の都道府県が活用しており、本県を含め4県が本年度中に新たに活用を開始する。
 また、土木部事業の主な動きとして、鬼怒川緊急対策プロジェクトの進捗状況や新たな洪水浸水想定区域図の公表、県内で計画しているスマートICの状況などについて説明。
 鬼怒川緊急対策プロジェクトのうち、八間堀川の下流工区における築堤護岸工事がことし7月に完成したことを報告。引き続き上流工区0・7qについて、年度内の完成を目指し整備を進めていく。
 県内で計画しているスマートICの状況については、国土交通省から7月21日付で(仮称)つくばスマートICが新規事業箇所に、(仮称)つくばみらいスマートICが準備段階調査箇所に選定された。土木部はつくばスマートICについては、事業の早期着手に向けて技術的な助言を行うなどつくば市を支援、つくばみらいスマートICについては、準備会を通じ、早期に事業化できるようコスト縮減などの技術的な助言を行い、つくばみらい市へ支援を行っていく。
 質疑では、横山忠市議員(自民)が、東関東自動車道水戸線の進捗状況や用地買収状況について質問。木村正人高速道路対策室長が「本年度は約80億円の事業費で潮来〜鉾田間の用地買収、整備を進めている。現在は地盤改良工事を主体に工事を行っている」と説明した。
 また、用地買収について「未開通区間(潮来〜鉾田)の用地買収進捗率は8割を超え、9割にもう少しで手が届くところ」としながらも「用地買収は、反対者がいるような面もあるので、県としては国に対し、少しでも早く用地買収が進むような方策を検討・実行していただくよう要望している」と話した。