福島建設工業新聞社
2017/10/24
【福島】再エネ連系送電線網/来年1月から順次着工
政府の福島新エネ社会構想に基づいて建設する「阿武隈山地および浜通り地域再生可能エネルギー連系用共用送電網工事」は、関電工の設計・施工で30年1月に着工する見通しとなった。本県を「再生可能エネルギー先駆けの地」とするため、東京電力パワーグリッド鰍フ電力系統に連系する共用送電線網を新設し、再生可能エネルギー発電事業のさらなる導入拡大につなげる。
同事業は国の補助事業。県を通じて計画調査委託業務と整備事業者の選定を進め、いずれも福島送電合同会社(福島市中町5の21)を選定した。これを受けて同社は7月、建設工事の入札を詳細設計付工事施工者選定方式(公募型コストダウン提案方式)により3分割で公告。3工事とも関電工が受注候補となり、9月中・下旬に契約を締結した。
共用送電線網の全体計画延長は3ルート計約80`。そのうち今回工事では、南相馬市原町区〜大熊町の東京電力福島第一原子力発電所までの「双葉北部ルート」約26`と、川内村毛戸地内から北進し、国道288号と田村市道を利用して西進、国道399号から南進する「阿武隈南ルート」の一部約19`を整備する=別図参照。
阿武隈南ルートは、東京電力南いわき開閉所(田村市都路町古道)を基点とするため、近接して500`の変電所を新設する。同ルートは、今回工事からさらに南進する計画で、詳細を固め、30年度の工事発注を見込んでいる。
共用送電線は、工期短縮の観点から、県管理道路と一部市町村道の道路下への管路埋設方式を基本として整備する。管径250_で、耐熱性の鋼管を開削工法で埋設する。
変電所は500`規模1カ所のほか、154`、66`規模で計4カ所新設。分岐所・開閉所も複数個所に整備する。
全体の工期は32年7月中旬(使用開始は31年12月中旬)だが、契約は年度ごと。最終年度以外の年度工期は2月中旬とする。
設計や調査費等を含めた総工費は、200億円程度の見込み。契約額も年度ごと、コストダウン提案に基づいて決定する。
工事実施に当たっては、工事実施地域の地元企業を可能な限り採用することとしている。
福島送電合同会社は、県や県内金融機関、関係市町村等で設立した福島発電鰍ニ、東京電力ホールディングス梶A鞄喧M銀行の3社が出資し、立ち上げた。資本金1300万円、代表社員は福島発電梶i鈴木精一代表社員職務執行者)。