徳島県は、「水道ビジョン策定事業関連業務」の委託先をプロポーザル方式で決めるため、16日付で要領を公告した。県入札参加資格業者名簿に登載の県内および県外の測量・建設コンサルタントなどを対象に10月27日まで参加表明書を受け付けている。順調なら企画提案書の提出を11月10日まで求め、12月上旬には委託先を特定したい考え。県は今後、水道事業者とで構成する「水道事業のあり方研究会(2017年3月発足)」の中で、同業務と並行して水道事業の広域化などを模索。18年度中の策定を目指すことにしている。
業務委託の主な内容は@広域化案の策定に向けた業務A水道事業の在り方研究会などの会議における助言−など。@では、各水道事業体の経営分析、中長期的な経営分析、広域化パターンの検討、広域化案の方向性の検討−を行う。
経営分析は、各水道事業体の中長期的な経営分析(資産の健全度、更新需要見通し、財政収支見通しなどを5年間隔で50年先まで)を行い、各水道事業体や県全体が抱える課題を明らかにする。また、広域化パターンや方向性については、県の地理的特性や水道事業の現状などを踏まえ、水道事業体間の広域化パターン(広域化の範囲や手法)の複数提案と整理を求めることにしている。
県内における重要給水施設基幹管路の耐震化適合率は15年度末現在32%と低い水準にある。こうした中、南海トラフ巨大地震直後には断水率が92%(中央構造線・活断層地震直後75%)見込まれるなど、大規模自然災害への備えが求められている。耐震対策以外に老朽化対策も今後増加する一方、人口減少による料金収入減少の深刻化も予想され、水道事業者の経営基盤強化がますます重要な課題となりつつある。県はこうした実情を踏まえ、水道事業の統合の他、中長期展望に立った実効性あるビジョンを策定することにした。
提供:建通新聞社