日本工業経済新聞社(埼玉)
2017/10/11
【埼玉】県都市整備部がまちづくり埼玉プラン改訂版素案まとめ
県都市整備部は都市計画の基本指針となるまちづくり埼玉プランの改定版素案をまとめた。土地利用の基本方向として、新たに都市の拡大抑制を掲げている。駅前などに小さな拠点を形成した上で、拠点間を結ぶ公共交通の利便性の向上を盛り込んだ。また観光まちづくりも追記。観光地へのアクセス道路や遊歩道、駐車場整備などが想定される。今後、県民からの意見公募などを経て、年度末の県議会2月定例会に議案として上程する。
まちづくり埼玉プランは、都市計画の基本指針として位置付けている。都市計画制度を運用する際の原則や、まちづくりの進め方の例示などで構成。市町村にも活用してもらうことで、都市計画やまちづくりの方向性を共有する考え。
現行のプランは2008年3月に策定された。10年が経過し、東日本大震災など大規模災害の多発や、立地適正化計画制度など新たな動きを踏まえ、見直しに向けた検討を進めていた。
主な改定内容をみると、コンパクトなまちづくりを明確化した。連携して公共交通ネットワークの形成を進める。中心市街地では、集合住宅や複合施設の立地を促進し、土地の有効利用を図る。関連して医療・福祉施設や商業施設などの都市機能が集まった利便性の高い地域や、公共交通の利便性の高い地域へ、居住の誘導を図る。
市街化調整区域は「市街化を抑制することが原則」とする。医療施設や福祉施設などを立地する場合は、都市基盤の整備状況や医療・福祉政策などとの整合を図る。また大規模商業施設を立地する場合は、まちづくりの中での位置付けを明確にした上で、市街化区域への編入を基本とする。
観光まちづくりの概念も新たに取り入れる。歴史的価値の高い建造物や名勝のほか、地域の伝統的な祭りなどの無形民俗文化財、さらには食文化やアニメなどの多様な地域資源を活用した観光まちづくりを進める。例えば県内に点在する観光資源をつなげる周遊ルートの形成や、アクセス道路、駐車場などを整備して観光地における交通環境を改善する。