株式会社秋田建設工業新聞社は、秋田市立豊岩中学校の1年生9人を対象とした国道7号下浜道路の現場見学会を企画し、19日に開催した。東北地方整備局秋田河川国道事務所との共催。生徒たちはICTブルドーザ、ICTバックホウといった最新の建機に試乗したり、ドローンの操作を体験したりして、土木現場の面白さに触れた。
「未来を担う子どもたちの現場見学会―見て、触れて、感じる土木の現場―」のテーマで開催された見学会は、建設業の仕事に早いうちから触れてもらうことで、建設業の役割や仕事の魅力を体感してもらおうと企画したもの。担い手不足の深刻化や人材の確保といった課題に直面する業界のイメージアップも図るため、ICTを駆使した現場で行われた。
当日は、国道7号下浜道路で株式会社沢木組が施工している「羽川地区こ道橋下部工工事」「下浜羽川道路改良工事」を見学。沢木組の沢木則明社長もかけつけ、「現場ではICTという高度な技術を採用している。ぜひその現場を見て勉強してもらい、『建設業も決して悪くないな』と感じていただければありがたい」とあいさつした。
見学会ではまず、こ道橋下部工工事の現場で、市道工業団地1号線に橋の基礎をつくる様子を見学。沢木組の笹渕一成工事係長が、市道に設置された舗装や側溝を撤去して掘り下げている現在の施工状況を説明し、生徒からは「いちばん大変なことはなんですか」「今の作業の状況は」といった質問があがった。
下浜羽川道路改良の現場では、沢木組の川口守土木部長が現場の概要を説明。その後、有限会社ソッキサービスの畑中勝弥氏を講師に、レーザースキャナーで空の上から見た状態や土の下から見た状態、横から見た現場の状況をパソコンで確認。その後、3班に分かれてICTブルドーザ、ICTバックホウ、ドローンを体験した。
ICT建機の見学は、株式会社ほくとう秋田支店の鈴木浩光氏を講師に実施。ICTブルドーザでは、本体部やブレードが縦、横、左右など自在に動く様子や、掘削した土の敷き均し作業を見学。センサーのついたヘルメットで人の動きを感知し、重機まわりの安全性を確保するシステムについても学んだ。
ICTバックホウでは、3次元設計データがインプットされた重機を動かす様子を見学。片手だけの操作でも完全手動より精度の高い掘削ができるといった説明を聞き、オペレーターが未熟でも高品質な施工ができることなどを学んだ。
ブルドーザとバックホウでは試乗体験も行われ、生徒たちは操縦席に座って内部の様子を見たりレバーを握ったりするなど、楽しそうに現場の気分を味わっていた。
ドローンの操作体験では、株式会社クロマックシステムズの宮澤恵梨香氏を講師に、1人がドローン本体を操縦で飛行させ、もう一人がドローンに搭載されたカメラの角度を変えるなどして撮影を体験。見学会の終わりにはドローンによる生徒全員の記念撮影も行われた。
見学会終了後、安田悠馬さん(12)は「ドローンが特に楽しかった。将来は建設業のような仕事も面白そうだなと思った」と話していた。
今回の見学会は秋田県、秋田県教育委員会、秋田市、秋田市教育委員会、一般社団法人秋田県建設業協会、一般社団法人秋田市建設業協会、一般社団法人秋田中央建設業協会の後援、株式会社沢木組と山二環境機材株式会社の協賛で実施された。
提供:
秋田建設工業新聞社