高知県は13日、2018年度の予算編成に当たっての基本的な考え方について、岩城孝章副知事名で各部局に通知した。予算編成のポイントとして、歳出予算要求額を一般財源ベースで17年度当初比3億円減の3171億円に設定、このうち裁量的経費を同比11億円減の211億円、投資的経費は増減なしの87億円としている。事業の見直し、課題解決への見直しに対応するため「課題解決先進枠」を継続し、南海トラフ地震対策の推進に向けては、新規、拡充分などに係る必要経費を積み上げる方針。
課題解決先進枠については、「高知県まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げる人口の将来展望の実現に向けた取り組みを進めるために必要な事業など、課題解決先進県を目指した事業への重点的な配分を実施する。この枠への要求には、既存事業を積極的に見直し、創意工夫による事業の組み替え・バージョンアップを促進するため、17年度予算から削減した額の1・5倍(一般財源ベース)まで要求可能とする。費用対効果の観点から、既存事業については積極的に見直し、経常的経費はマイナス5%シーリング、投資的経費はゼロシーリングとする。
南海トラフ地震対策の推進には、前年度と同じ36億円を見込んでおり、第3期南海トラフ地震対策行動計画に掲げた目標を達成するために必要な事業を着実に実施する。
また、県民の暮らしと雇用を支えるため、普通建設事業費の一般財源総額を確保し、立ち遅れたインフラ整備を推進する。公共事業については、事業の厳格な選択と継続事業の見直し、公共工事のコスト縮減への取り組みを徹底する一方で、全国でも遅れたインフラ整備を加速するため、安全・安心な暮らしを支える命の道や産業振興、観光など地域活力の向上に必要な基盤整備を集中的に行い、事業量の確保にも努める方針。
今後の予算編成スケジュールは、11月13日を予算見積書提出期限、21日を予算見積もり概要を公表するための資料を財政課に提出する期限とし、12月中旬に当初予算見積もり概要を公表する。その後、1月中旬に財政課長内示と総務部長協議、内示があり、1月下旬からの知事査定を経て、2月中旬に当初予算案を発表する予定。
提供:建通新聞社