県土整備部は18日、先月の台風18号による公共土木施設被害を固めた。県と市町施設を合わせ144カ所、被害総額は23億円に上った。11月中旬以降に実施される国の災害査定に申請する。
9月17日〜18日にかけて接近した台風18号に伴う大雨では、県東部地区を中心に道路や河川、砂防の各施設に被害が発生。同部は発災後1カ月の被害報告をまとめた。
被災カ所の内訳は、県施設が94カ所に17億5300万円、市町施設が50カ所に5億4700万円。県施設では鳥取市国府町雨滝の鳥取国府岩美線で路肩が崩れたほか、同市矢矯の矢矯松原線は集落の上手で路面が陥没した。河川では八頭町下峰寺の私都川で右岸側ブロック積み護岸の崩壊を確認。砂防急傾斜は鳥取市岩坪の落石防護柵が倒壊した。
県や各市町は、引き続き11月の災害査定に向けて復旧工法や復旧額などを盛り込んだ査定設計書を作成する。
また今回の査定をめぐっては、書面による「机上査定」が通常1カ所当たり300万円未満から800万円以下に引き上げて実施される。実地査定に比べ、査定官が現地に出向く移動時間を省くことができ効率化につながる。査定の簡素化は昨年の県中部地震被害による査定でも1500万円以下に引き上げて実施された。
机上査定の限度額800万円以下への引き上げで、今回の査定は全体の6割程度が机上査定の対象となる見通し。
被害報告の内容は次の通り。
※県施設94カ所=17億5300万円
▽鳥取県土68カ所=11億4400万円(道路13カ所に2億5600万円、河川31カ所に6億0900万円、砂防23カ所に1億8900万円、急傾斜1カ所に9000万円)▽八頭県土15カ所=2億0600万円(道路1カ所に2000万円、河川8カ所に1億1600万円、砂防6カ所に7000万円)▽中部県土5カ所=5400万円(道路3カ所に3100万円、河川2カ所に2300万円)▽米子県土1カ所=250万円(港湾)▽日野県土2カ所=6000万円(河川)▽鳥取港湾3カ所=2億8700万円(港湾)
※市町施設50カ所=5億4700万円
▽鳥取市25カ所=3億6370万円(道路11カ所に1億7140万円、河川12カ所に1億0730万円)▽倉吉市4カ所=7300万円(道路3カ所に7100万円、河川1カ所に200万円)▽岩美町5カ所=2420万円(道路3カ所に1500万円、河川2カ所に920万円)▽八頭町3カ所=1550万円(道路)▽三朝町2カ所=700万円(道路1カ所に200万円、道路1カ所に500万円)▽琴浦町1カ所=200万円(河川)▽南部町4カ所=2750万円(道路2カ所に750万円、河川2カ所に2000万円)▽日南町6カ所=3500万円(道路4カ所に2100万円、河川2カ所に1400万円)
日刊建設工業新聞