京都府は、森林地域の持つ水源としての機能を維持し、水資源を将来にわたって確保するため、一定の規制等を盛り込んだ条例の概要案をまとめた。
府は、水源地域等の保全のあり方検討専門家会議(座長・堀野治彦大阪府立大学教授)を立ち上げ、これまでに2回会議を開き、地下水を保全する仕組み等を議論。これまでの議論等を踏まえ、10月17日開催の第3回会議で条例概要案を示した。
条例概要案によると、水源の涵養の機能を特に保全する必要がある森林等の地区を「重点水源保全地区」に指定し、重点水源保全地区の土地所有者等は所有権の移転等の契約締結前に知事への届出を義務付ける土地取引等事前届出制度を設ける。
水源としての機能を特に維持する必要があると認める地域を「水源森林地域」に指定し、水源森林地域で基準を超えて取水しようとする者は知事の許可を必要とする。
地域住民との調整制度等として、水源森林地域で基準以上の取水をしようとする者(取水予定者)に周辺地域に及ぼす影響について調査を義務付ける。また取水予定者にはこの影響調査結果を踏まえた説明会の開催・意見書に対する回答等を義務付ける。
取水予定者に、地域団体との間において取水に関し生活環境の保全の協定の締結の努力を義務付ける。
第3回会議では、水源森林地域(国有林を除く民有林及び民有林と隣接し、水源機能の維持のために一体と見なすべき地域/イメージ図参照)、重点水源保全地区(水源保全地域内の森林で、水源涵養機能を特に保全する必要がある地区/イメージ図参照)のイメージを示した。地域指定は市町村長からの提案又は市町村長の意見を聴いて知事が指定するとした。
重点水源保全地区での土地取引等事前届出制度については、移転契約等を締結しようとする日の60日前までに知事に届出とするとした。
水源森林地域内での取水許可基準については@揚水機の吐出口の断面積による規制A水源森林区域内での取水の総量規制を示した。
地域住民との調整に際し、取水による影響調査の内容、調査の範囲については、@取水試験による影響調査の実施、モニタリング等A取水地点から300m〜500mの範囲等を示した。