富山、石川の県建設業協会と国土交通省、全国建設業協会による17年度北陸建設業協会地域懇談会が17日、富山市のホテルグランテラス富山で開かれ、発注者と受注者双方からの提案議題に基づき、地域建設業の課題と対策を話し合った。
懇談会は、全国9ブロックで順次開催。この日は、富山県建協から竹内茂会長ら18名、石川県建協から吉光武志会長ら25名、国土交通省から青木由行大臣官房建設流通政策審議官ら15名、全国建設業協会から近藤晴貞会長ら8名、新潟県建設業協会からオブザーバーとして、植木義明会長ら2名が出席した。
冒頭、あいさつした竹内会長は、「公共事業費は微増に留まり、予算配分の偏りから事業量の地域間、企業間の格差が拡大化し、地域に精通した技術力、経営力のある建設企業が社会的使命を全うすることが難しくなっている」と述べ、「本県の公共工事発注額は依然として厳しい。公共工事関係費を含む補正予算の編成に期待していたが、衆議院解散により審議が遅れ、年度末や来年度早々の仕事量確保が危ぐされる。来年度当初予算の増額確保を含め、公共事業予算が持続的・安定的に確保されるようお願いしたい」と話した。
青木審議官は、「地域の建設産業がしっかりと役割を果たすには、人材の確保が求められる。そのためには公共投資の持続的、安定的な確保が極めて重要な課題。適正な予定価格の設定とダンピングをしないことが重要であり、品確法の適正な運用に引き続き取り組む」、五道仁実国交省大臣官房技術審議官は、「担い手確保は最重要課題であり、生産性向上と働き方改革がキーワード。新技術を現場に取り入れることを進める」、全建の近藤会長は、「7月に建設産業政策2017+10がまとまり、建設産業が果たすべき方向性が示された。地域力強化の実現には、地域建設業の健全で安定した経営基盤の確保が必要であり、安定的かつ持続的に必要な事業量が切れ目なく確保されることが何より重要」とあいさつした。
引き続き、国交省から建設産業の持続可能性の確保(働き方改革、生産性向上の改善など)、「担い手3法」取組の推進、建設工事の安全確保、全建からは事業量確保と経営の安定化、働き方改革、担い手確保が提案議題として出された。
富山、石川両県建協は、(1)公共事業予算の持続的・安定的確保(2)低入札価格調査基準の見直し(3)ICT活用工事を推進するための国の取組(4)週休二日制導入に向けた国の取組―の提案・要望を提出。懇談会ではこれらの議題に基づき、活発な意見交換が行われた。