トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社四国
2017/10/17

【香川】「県産木材の供給と利用促進条例」を制定へ

 11月19日に開催される全国育樹祭を契機に、県産木材の供給と利用を促進する施策を展開し経済的な価値の向上と供給と利用の好循環を促進する目的の、県議会議員の発議による「香川県県産木材の供給と利用の促進に関する条例」(素案)が10月12日までにまとまった。同日から11月13日まで県民から意見を公募し、12月議会にこれら意見を踏まえた条例案を提案。採決後に決定する。条例の施行は2018年4月1日を予定している。
 素案では、県内で生産された木材を「県産木材」。建築材料、工作物の資材、製品の原材料およびエネルギー源として県産木材を使用することや、県産木材を使用した木製品の使用を「県産木材の利用」と定義。基本理念を基に、県の責務や市町との連携、県民、森林所有者、関係事業者らの役割を明記した。
 県産木材の利用促進のため、▽県産木材の加工および流通の体制の整備▽県が自ら整備する建築物、土木施設その他の工作物(以下建築物等)と工事における県産木材と同製品の利用▽県民自らが整備する「建築物等」と工事での県産木材およびこれを利用した製品の率先利用▽県産木材と同利用製品に対し、信頼感などを与える独自の印象を創出することを証明する「県産木材認証」の仕組み▽県産木材の新たな用途開発▽県産木材の販路拡大―などの措置を盛り込んだ。
 条例制定となれば、18年度から県産木材の供給と利用促進の諸施策や認証の仕組みなどを示し、具体化を図っていく。
 香川県では県土面積の約47%を森林が占める。山地災害防止、水源育成などの機能だけでなく、安全・安心な暮らしや快適な生活環境の創造に重要な役割を担う。
 しかし、放置森林の増加や放置竹林の拡大など森林の適正管理が困難で森林の多面的な機能の低下も懸念されている。1965年代後半の松くい虫被害の跡地に植栽したヒノキが利用期を迎え、間伐材の森林整備を推進する上で県産木材の公共建築物や民間住宅などでの利用促進も重要。里山林の整備推進のためにも、全国育樹祭の開催で県民の森林づくりへの機運が高まるこの機会に、県産木材をはじめ森林資源を積極的に利用する条例を制定することにした。

提供:建通新聞社