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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/10/13

【茨城】水戸市新市民会館は工期6カ月延長/意見調整などでオープン17カ月遅れ

 水戸市の新市民会館オープンが当初計画から17カ月ずれ込み、2022年9月となることがわかった。地権者との意見調整などによる基本設計策定の遅れが主な要因。11日の市議会特別委員会で執行部が説明した。工期精査により解体工事は約9カ月、建築工事等は約27カ月に延び、合計6カ月の延長となる。
 新市民会館は、泉町1丁目北地区に再開発事業で整備する。概算事業費は約192億円。規模はRC・S・W造4階、地下1階建て、延べ2万2800・3u(建築面積約7145u)。施行者は泉町1丁目北地区市街地再開発組合(宇野光一理事長)。
 RC造の大ホール(2000席)を耐火木部材のやぐらで囲む大型・都市型建築物では先進的な構造。中心市街地の新たなシンボルとなることが期待されている。設計は伊東豊雄建築設計事務所・横須賀満夫建築設計事務所共同企業体。
 最高高さは35・8m。耐震壁付きラーメン構造で、大地震発生時にも建築機能を維持できるようにする。四方をやぐら状の木組み(52cm×67cm、耐火木柱)で包み、水戸藩城下町の力強い風格を表現。外周部の木柱の表面は、保護のためアルミキャストパネルで覆う。南側を除く外装には日射遮蔽効果のあるルーバーも設ける。
 当初計画では、来年1月の権利変換計画認可後、解体工事約5カ月、建築工事等約25カ月の合計約30カ月で工事を進め、21年4月の開館を見込んでいた。
 しかし、地権者や地元などとの調整に時間を要したことから、基本設計の策定が遅れ、ことし2月を見込んでいた組合設立・事業計画認可がずれ込んだ。
 このため組合設立を先行し、6月12日に認可を受け、同月30日には組合設立総会を行った。事業計画認可は、来年1月ごろを目指すことにした。
 今後は実施設計を来年9月末までにまとめ、10月に権利変換計画認可、その後、解体工事、建築工事等と進めていく。
 工期については、建設場所が中心市街地であることから、粉塵対策や安全対策などを慎重に行うために延長する。解体が約4カ月、建築等が約2カ月、合計6カ月間の延長となる。ただ、執行部はできるだけ早期の供用開始を目指しており、工期短縮の可能性を探っているようだ。