日本工業経済新聞社(茨城)
2017/10/05
【茨城】下桜井地区で排水整備/工事着手は来年度以降/県高萩土地改良
県高萩土地改良事務所は、北茨城市下桜井地区の水田における排水機能を向上させるため水利施設整備事業(農地集積促進型)を推進する。本年度は排水機場の実施設計をまとめるため、このほど常陽測量設計梶i土浦市)に業務を委託。早ければ2018年度から工事に着手する。計画事業費は8億9750万円で、事業期間は22年度まで。
同地区は二級河川大北川の河口部に位置する。洪水時には河川水位の上昇によって自然排水が不可能となり、地区内水田が湛水。水稲生育に被害が及んでいる。また、地区内の排水路は大半が土水路のため整備水準が低く、地下水排除に必要な水路の深さと流下能力が不足。乾田化ができず、転作も困難なため農業生産性が低い。
このため排水施設、排水路の整備および関連事業により湛水の解消と乾田化を進める。転作作物の導入や農作物の品質向上により農業所得を向上させ、農業経営の安定化を図る。計画受益面積は水田42・2 ha、畑1・6 haの合計43・8 ha。計画基幹作物は主食用水稲米、大豆、さといもなど。
工事内容は排水路に溝型柵渠(B3×H0・9〜1・2m)および排水フリューム(B0・8×H0・9m)を整備。延長は1231m(付帯工含む)。排水機場は横軸斜流ポンプ(φ900o×75kW2台)および背面降下前面掻上式除塵機2基。
本年度は排水機場の設計を策定。排水路の設計に付いては換地作業のめどがついてから来年度に実施する計画。その後、工事へ着手する。事業完了は22年度を見込む。
計画事業費は8億9750万円で、内訳は排水路工1億1070万円、排水機場工6億2500万円、測量設計1720万円、実施設計2080万円、用地買収および補償6120万円、工事雑費・事務費6260万円。
関連事業としては本年度に新規採択された農地整備事業(経営体育成型)がある。計画事業費は6億1800万円で計画期間は17〜22年度。水田整理や用排水整備を同事業と並行して推進する。
なお、排水機場の設計事業者選定に当たっては、7月31日に指名競争入札を執行。常陽測量設計が1050万円(税抜き)で落札した。