県は、10月から土木工事標準歩掛を全面改定する。工事費に影響の大きい交通規制補正や現場環境に関する経費の見直しは、前倒しで実施済みだが、1日未満で完了する小規模施工時の積算方法を新設するほか、施工パッケージ関係歩掛を改定する。また、6工種の市場単価の一部廃止に向けた検討を行っていることも分かった。
主な改正点は、維持修繕等の小規模施工では数量に対する積算額となるため、実際にかかる費用と積算額に乖離(かいり)がある。そのため、実態調査に基づき最低保障額の設定を実施。具体的には、作業時間が4時間未満の場合は、機械・労務は半日分、4時間以上8時間未満を設定し、材料は使用数量で計上する。
施工パッケージは、4年計画で実施。国が2014年度から導入しているものを1年遅れのスケジュールで計画している。今回の84施工パッケージで完了となる。
土木工事積算における歩掛見積もりの徴集方法は、3社以上の見積書合計額が最も安価なものを採用していたものが、平均的(平均直下)または最頻値の歩掛に移行する。
施工個所点在型積算の標準化は、1km以上離れている場合で、個所ごとに間接工事費(共通仮設費、現場管理費)の算出を可能として試行していたが、標準に定める。
今後の方向性は、国が順次移行を図る準備を進めている市場単価の一部廃止がある。対象は、区画線工や高視認区画線工、排水構造物工、コンクリートブロック積、橋梁塗装工、構造物取り壊し工の計6工種。
背景には、データ収集が困難なことから、物価調査会と経済調査会の実態調査の上で設定する歩掛をもとにした、土木工事標準単価に移行を予定。積算時は、2調査会の単価を平均して活用する。