宮崎建設通信社
2017/10/13
【宮崎】施設の規模や機能など示す 県有体育施設基本構想案
二巡目国民体育大会と全国障害者スポーツ大会の開催に向けて、主要体育施設の整備を検討する宮崎県は、宮崎県有主要体育施設整備に係る基本構想案を示した。都城市山之口運動公園内に整備する陸上競技場、延岡市民体育館敷地に整備する体育館、宮崎市に整備する水泳場に関して、機能性や経済性等を踏まえた施設規模、導入機能等を示した。
現在の県有体育施設の多くは、昭和54年の国体前に総合運動公園を中心に建設され、施設本体や設備の経年劣化が進んでいる。一方で、主会場としての使用が想定されている既設の陸上競技場、体育館、水泳場は、競技開催に必要となる各種基準を満たしていないため、県は各施設を建て替えで整備する方針を示していた。
整備に際して、県は市町村等と連携した施設整備の可能性を模索。各自治体の意向調査や想定される施設規模、交通アクセス等を踏まえ、各施設の整備候補地を絞り込み、陸上競技場を都城市山之口運動公園内、体育館を延岡市民体育館敷地、水泳場プールを宮崎市内にそれぞれ整備することを決めた。
基本構想案では、機能性や将来性、安全性、経済性の観点から、施設毎の整備方針を設定。陸上競技場に関しては第1種陸上競技場の最新公認基準への適合や一定数以上の収容人数の確保、体育館に関しては多機能複合化や収益力向上が期待できる施設の検討、水泳場に関しては日本水泳連盟の最新公認基準への適合など整備方針に掲げる。
これを踏まえた施設規模として、陸上競技場の主競技場を4万2000m2程度(400m×9レーン、観客席1.5万〜3万席規模)、体育館の延床面積を1万4000m2程度(固定席2000〜3000席)、固定席を含む水泳場の施設面積を1万m2程度(競泳プール50m×25m、補助プール25m×13m)と想定する。
都城市と共同整備する陸上競技場は、都城市が用地提供や付随設備等の整備、県が用地造成及び競技場等の整備を行う。延岡市と共同整備する体育館は、延岡市が用地を提供し、施設を共同で整備する。宮崎市内に整備するプールは、民間との連携を視野に入れた整備手法の可能性や整備内容について、宮崎市との協議を含めて引き続き検討する。
各施設を宮崎県が推進する「スポーツランドみやざき」の基盤として整備するにあたり、中心施設に位置付ける宮崎県総合運動公園の整備にも取り組む。各種スポーツ大会やキャンプ、イベント等に対応できる施設の維持・改修を行うほか、津波避難対策として、津波避難タワー等の工作物、盛土高台等の土木構造物の整備を検討する。
■公募型プロポで基本計画策定事業者選定
宮崎県は11日、公募型プロポーザル方式で事業者を選定する「宮崎県有主要体育施設整備に係る基本計画策定業務委託」を告示した。陸上競技場、体育館、プールの施設整備に係る基本計画を策定するにあたり、基本計画の立案支援に豊富な実績及び優れた技術等を有する事業者を募集する。税込の委託金額は3547万8000円以内。
事業者は、各施設に必要な機能及び構成等を示した整備基本方針を提案し、造成計画、建築計画、配置計画、駐車場計画、アクセス道路等に関する検討を実施。3施設全体の整備スケジュールや各年度毎に必要となる事業費について整理するほか、官民連携(PFI)の導入可能性についても調査を行う。契約期間は30年7月31日まで。
プロポーザルの参加要件は、宮崎県の平成28・29年度入札参加資格認定(都市計画及び地方計画)を受け、平成14年度以降に国・県・市町村発注の体育施設等の整備計画立案(基本構想、基本計画等)に関する業務実績と、国・県・市町村発注のPFIまたはPPP等に関する業務実績を有していること。
このほか、▽技術士総合技術監理部門(建設―都市及び地方計画)▽技術士(都市及び地方計画)▽一級建築士―のいずれかの資格を有する者を管理技術者、照査技術者として各1人以上配置(兼務不可)できることを参加要件とする。
参加申込書は10月23日までに持参または送付すること。申し込み多数の場合は、別途定める事前審査で企画提案審査を受ける者を5者程度に絞り込む。企画提案書等提出期限は11月17日。11月下旬に書類審査及びプレゼン・ヒアリング審査を実施し、最も優れた提案を行った提案者を契約締結候補者として選定する。
企画提案のテーマは、@業務を行うにあたっての実施方針及び取組方針(基本的な考え方)A施設整備による地域振興及びスポーツ振興等に関するプランB競技者及び利用者の両方の視点を取り入れた施設配置や環境整備等に関するプランC整備等に要するコスト縮減や工程短縮等に関するプラン―とする。
プロポーザルの実施要領や仕様書等は宮崎県のホームページからダウンロードできる。問い合わせ及び申し込み先は、宮崎県教育庁国体・高校総体準備室施設整備担当。