高知県教育委員会は、2021年4月の病弱特別支援学校(現・高知江の口養護学校)移転開校に合わせ、寄宿舎の新築と隣接する盲学校寄宿舎の改修、グラウンドの整備に係る実施設計委託料を9月補正予算に計上した。寄宿舎の設計は11月ごろ外注、グラウンドの設計は高知県建設技術公社を通じて委託する。
病弱特別支援学校寄宿舎は、高知市越前町の盲学校寄宿舎敷地内にある自活訓練棟を解体した跡地に建設する。規模は木造2階建て延べ250平方b程度で、7室程度の舎室、交流スペース、浴室、トイレ、指導員室、宿直室などを配置する計画。解体する自活訓練棟の規模は鉄筋コンクリート造2階建て延べ約150平方b。
隣接する盲学校寄宿舎「れいめい寮」の規模は鉄筋コンクリート造3階建て延べ1005平方b。このうち改修対象は959平方b。1979年建設で老朽化が進んでいるため、トイレの改修や配管・電気設備などの更新を進める他、段差解消やエレベーター設置といったバリアフリー化、スプリンクラーの設置などを進める。
また、この両施設をつなぐ渡り廊下を新設し、盲学校寄宿舎にある食堂などは共用スペースとする。
9月補正では、18年度の債務負担として実施設計委託料1891万円を設定した。18年度半ばまでの9カ月間で設計を進めた後、自活訓練棟の解体を発注する。19年度に病弱特別支援学校寄宿舎の建築、20年度に盲学校寄宿舎の改修をそれぞれ発注する予定。総事業費は3億9000万円を見込む。
一方、新しいグラウンドは、高知市大原町に建設する病弱特別支援学校校舎と心の教育センターの間の約1900平方bに整備、一周130bのトラックを確保する他、側溝の整備なども進める。9月補正では、18年度の債務負担として実施設計委託料361万円を設定した。工事は学校の校舎建築などの進捗を見ながら20年度に発注する予定。
病弱特別支援学校は、現在高知市新本町にある高知江の口養護学校を高知市大原町にある教育センター分館敷地に移転、既存の北棟と南棟を解体し、鉄筋コンクリート造4階建て延べ3500平方b程度の校舎を新築、21年4月の開校を目指す。11月中に基本設計が完了する見込みで、引き続き18年度半ばまで実施設計を進めた後、19〜20年度の2カ年で校舎の建設を進める。基本設計は上田建築事務所(高知市)と細木建築研究所(高知市)の設計共同企業体が担当。
提供:建通新聞社