日本工業経済新聞社(山梨)
2017/10/11
【山梨】県が総合球技場基本構想を策定
県は、総合球技場の基本構想を策定した。建設予定地は小瀬スポーツ公園(甲府市)の第3駐車場。サッカーやラグビーなどの利用を主に、収容人数は2万人程度を想定。整備・運営については、PFI方式の導入を前提に検討する。
基本構想を基に県では、整備基本計画の策定に着手する。基本計画には、施設の具体的な機能や概算建設費、運営収支などを盛り込む。9月補正予算に策定費1989万円を計上しており、専門家などによる委員会を設置して施設の在り方を検討し、基本計画を策定していく。
県では総合球技場について、2014年4月に整備を求める10万人の署名が知事に提出されたことを受けて検討を開始。検討委員会からの報告、建設適地を小瀬スポーツ公園周辺と決定したことを踏まえ、基本構想をまとめた。
基本構想では、整備の方向性として@山梨の強みを生かすA県民負担の軽減B「見るスポーツ」などの充実と地域発展の可能性を広げる―を提示。
建設予定地は、小瀬スポーツ公園の第3駐車場。今後、具体的な配置を検討する。建設には新たな用地取得が必要になる。
機能については、サッカーやラグビー、アメリカンフットボールによる利用を主に、イベント利用も想定。付帯機能としては、会議室や飲食・物販施設、防災機能などを検討する。
収容人数は、検討委員会からの報告を踏まえ2万人程度として検討。基本のフィールド寸法は、3種の競技基準に基づき84m×124mとした。
概算建設費については、検討委員会からの「最近10年程度に整備されたスタジアムの総工費は約80億〜140億円」との報告を踏まえ、基本計画において算出する。
整備・運営面では、県民負担の最小化を図るためPFI方式の導入を前提に検討を進める。また、本県にふさわしい施設の規模や外部資金の活用などによるイニシャルコストの低減、収益確保に向けて太陽光発電やネーミングライツなどを検討する。
利用の最大化に向けては、全国規模の大会やイベントの誘致、障害者団体などの意見聴取による施設整備などを検討。さらに、小瀬スポーツ公園全体のさらなる有効活用方策も検討していく。
具体的な事業スケジュールについては、他の大規模事業と整備時期などを調整し、財政支出を平準化するなど適切な財政運営を考慮して基本計画で決定する。また、基本計画策定の過程で議会や県民に丁寧に説明し、理解を得ていく。