中能登町は統合庁舎の整備に向け、旧鹿西中、鳥屋庁舎、生涯学習センター「ラピア鹿島」の既存3施設の活用、新築の4案を候補に検討を進めている。町民の意見も参考にしながら、各案の工事費や将来の維持管理費などについて精査し、早期の絞り込みを目指す方針だ。
統合庁舎を巡っては、14年に住民代表らでつくる「庁舎整備検討委員会」が旧鹿西中校舎の増改築が妥当とする答申書を町側に提出。町はこの答申を基に計画を進める予定としていたが、その後の町議会特別委で最終的な方針がまとまらなかったこともあり、事業化には至っていない。
町はこうした状況を踏まえ、旧鹿西中以外にも候補地を挙げて再検討に着手。これまでに町民代表や各団体を対象とした説明会で、4案のメリット、デメリットなどを提示している。
各案の概算事業費と新庁舎に必要な面積は(1)鳥屋庁舎約27億円(約5700平方メートル)(2)旧鹿西中約22億円(約5000平方メートル)(3)ラピア鹿島約30億円(約4800平方メートル)(4)ラピア鹿島周辺を想定した新規建設約40億円(約5000平方メートル)―になると試算した。
統合庁舎整備では、熊本地震の発生を受けて国が今年度創設した4年間を期間とする「市町村機能緊急保全事業」の財政措置の活用も視野に入れている。町は今後、議会棟増築や調整池整備などの必要性も考慮し、各案の内容を比較検討した上で候補地を町議会に示したい考えだ。
今年度当初予算には早期事業着手に備え、基本設計業務委託料1500万円を計上している。13年度に実施した「庁舎統合基本構想策定調査業務委託」は計画情報研究所が担当した。
町は05年3月の鹿島、鹿西、鳥屋の3町合併以降、分庁方式により各役場庁舎で行政事務を行っている。鳥屋庁舎は1986(昭和61)年の新耐震基準時に完成しているが、鹿島庁舎は70(同45)年、鹿西庁舎は78(同53)年と旧耐震基準に建てられ、耐震化されていない。