静岡市は、公募型プロポーザル方式を採用した歴史文化施設建築基本設計の第2次審査として、4日に公開ヒアリングを実施、その後の審査委員会で設計候補者としてSANAA事務所(東京都小平市)を特定、10日に発表した。今後、11月下旬の契約を目指す。実施設計は2018年度、工事は19、20年度で行い、21年度中のオープンを予定している。
初の一般公開方式ヒアリングでは、応募者19者の中から1次審査を通過した8者がプレゼンテーションし、市民や職員ら約200人が傍聴した。
駿府城公園などに隣接する立地への配慮から「建物の外観と外構」、隣接して誘致計画している民間施設との一体感への配慮から「敷地利用」、集客に資するオープンな空間と収蔵庫などの厳重な管理が要求される空間との整合性への配慮から「内部計画」―の三つを課しており、各者これらを踏まえた提案となった。また、巽櫓(たつみやぐら)や東御門、城内1号線を眺望に取り込んだアイデアが目立った。
曽根幸一芝浦工業大学名誉教授(委員長)とする学識経験者の5人の他、美濃部雄人副市長、山本高匡政策官を加えた7人で審査した。
設計候補者の他、次点設計候補者には、安井建築設計事務所東京事務所(東京都千代田区)を決定した。また、プレゼンテーションを行った他の6者は、隈研吾建築都市設計事務所(東京都港区)、佐藤総合計画中部事務所(名古屋市中区)、シーラカンスアンドアソシエイツ(名古屋市中区)、針谷建築事務所(静岡市駿河区)、平田晃久建築設計事務所(東京都港区)、UAo(東京都渋谷区)。
事業費約32億円で、葵区追手町4ノ16の旧青葉小学校跡地に建設。敷地面積8400平方bのうち、約5000平方bを歴史文化施設に充て、残る約3400平方bには民間施設を誘致する。主要施設は、展示室、収蔵庫、家康研究室、市民活動室、学習支援室、歴史体感展示、カフェ他。
提供:建通新聞社
(2017/10/11)
建通新聞社 静岡支社