建通新聞社(神奈川)
2017/10/11
【神奈川】工事発注見通し「神奈川県内統合版」近く
国と神奈川県、3政令市による公共工事発注見通しの統合版(10月期・試行版)が近く公表される。各発注機関が作成する工事の発注見通しを、地区ごとにまとめたもの。発注見通しの統合は、発注関係事務の運用に関する指針で、「各発注者が連携し発注の見通しについて地区単位などで統合して公表するように努める」こととされている。発注予定工事が地区単位で一括して確認できるようになることで、人員配置や建設資機材の手配など、計画的な施工体制の確保に役立つことが期待されるという。
国土交通省関東地方整備局は、管内の発注機関でつくる関東ブロック発注者協議会での調整を経て、管内の国、都県、市町村などが公表する公共工事の発注見通しを統合。2018年1月期から本格運用するための準備を進めている。
今回、それに先行して、神奈川県と3政令市が関東地整に提供。同局が県内の国関係出先機関などの工事発注見通しと合わせて、試行版としてホームページで公表する。
横浜市など各政令市と関東地整は既に10月期を公表済み。神奈川県は10月中旬に10月期を公表する。関東地整の担当者は、「県からデータの提供を受けた後、多少の事務作業を経て公表する。(10月中旬以降)それほど時間はかからないだろう」と話している。
〜各機関直近のデータを公表〜
8月24日、県内全ての発注機関が集まる関東ブロック発注者協議会神奈川県分科会で、18年1月の統合版本格運用に向けたスケジュールとともに、国、県、3政令市が、「10月期」を試行版として先行して公表することなどを確認した。
神奈川県の担当者は、「あくまでも各発注機関が作成・公表した、直近のデータを取りまとめて統合版とすることが目的であり、新たな情報が掲載される訳ではない」と説明。公表単位(地区割り)については調整中だとしている。
〜各機関で異なる工種名「統一はせず」〜
関東地整では、既に山梨県分を試行版として局のホームページで公表している。
山梨県版(試行)は県内を4地区に分割。各地区内の国・県の出先機関、市町村の発注見通しを、「発注機関」(関東地方整備局、山梨県など)、「所属」(○○事務所など)、「工事業種」を優先した並びで公表している。
ただ、工事業種については、発注機関ごとに名称が異なる。来年1月の本格運用を前に関東地方整備局の担当者は、「様式(記載項目)は統一するが、追記修正は行わず、各機関から提供されたデータそのものを公表する」とした上で、「工事業種の統一は困難であり、今のところ考えていない」という。
なお、本格運用後は、4・7・10・1月の四半期ごとにデータを更新(PDFデータ)する。
提供:建通新聞社