文化庁の移転先に決定した京都市上京区の京都府警察本部本館について、京都府は、改修や増築に向けた基本計画を策定する。
府は6日、文化庁の移転に向けた京都府警察本部本館整備基本計画策定業務を指名競争で通知した。
施設整備にあたり、理念や整備の考え方、敷地利用計画、施設の必要規模・性能、利用形態、防災性、意匠性、既存施設の歴史的価値の保存、構造安全性の確保等に係る基本的事項を基本計画(設計与条件の整理を含む)として策定するもの。建物の保存活用では「京都市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例」の適用も視野に入れ検討する。
履行期間は30年3月15日まで。工事区分ごとに概算工事費を29年12月28日までに中間報告する。
国は文化庁の移転に向け、文部科学省設置法の改正法案等の法令整備を経て、30年度中に新・文化庁の組織体制を整備。京都における移転先の整備が完了次第、本格移転を実施する。文化庁本庁を京都に置き、本庁に文化庁長官及び次長を置く。職員数は全体の7割を前提に、京都府・京都市をはじめとする地元の協力も得ながら250人程度以上と見込む。
京都府は京都市などの協力を得て、移転の規模に応じ、府警本部本館の耐震化を含めた改修・増築を行い、整備後、文化庁は本庁の庁舎として、京都府の条例等に基づいた適切な貸付価格で長期的に貸付を受ける。
移転は遅くとも33年度中(34年3月まで)に完了を目指す。
府警本部本館(京都市上京区下立売通新町西入藪ノ内町85−3・85−4合地)はRC造地下1階地上3階建、延4280・84u(昭和2年3月築)。敷地の用途地域は商業地域(建ぺい率60%、容積率250%)。高度地区は31m高度地区で、府庁地区官庁街地区計画により高さ制限は25m。
府は府警本部本館耐震診断調査を28年度に山口正人建築設計事務所(京都市下京区)で実施。29年5月に明らかにした耐震診断調査の結果によると、各階のIs値は、地下1階のXが0・52、Yが0・68、1階のXが0・72、Yが0・57、2階のXが0・77、Yが0・76、3階のXが1・24、Yが1・10。
なお府警本部本館の機能は32年3月20日までに完成予定の府警本部新庁舎に移転する。