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北陸工業新聞社
2017/10/10

【福井】首長インタビュー/インフラの老朽化対策/岩倉光弘南越前町長(上)/上下水道は整備計画を順次立て/健全財政へ着実な歩み

 岩倉光弘南越前町にインフラの老朽化対策の重要性に関し直接聞いた。町役場で。
 ■ライフラインの適正な維持対策は。
 町長 上水道の有収率(給水する水量と料金として収入のあった水量との比率)について他の自治体の平均は80%代なのに対し、74%と低いのは場所は特定できないが漏水が原因であることは明らか。しかし行政域が広く343平方キロメートルで、管路延長は当然長くなる。山が多く、谷も深くて経年劣化も否めず。対策として今年は調査を行い、来年には整備計画を策定する。一方、下水道についても老朽化が進むことから、今年はマネジメント計画を立てる調査に取り組み、31年には整備計画に基づいた工事に入りたい。
 ■住民のコミュニティ醸成について。
 町長 公共施設の調査は昨年実施した。利用率などをポイントに、今年と来年で建替えするのか、改修して延命させるか。公共施設の在り方を検討する。町内74集落の全集落には集会所があり町の施設だ。その多くが昭和50年代〜60年代に作られ、中山間地域で農林省の補助をもらって建てたケースが多い。現在は予算措置の在り方が当時とは様変わりして農林の補助は見込めず、町の強みである過疎債をより有効に活用していくことに。集会所は各集落にとっては依然欠かせない重要な存在だ。学校関係施設(中学3校、小学4校)の耐震補強と大規模改修はすべて完了。町営住宅はすべて国交省の社会資本交付金を活用する予定。
 ■起債の活用は?
 町長 合併してまもなく丸13年。以来、元利償還金の7割を地方交付税で充当される過疎債を生かして財政の健全化を図る状況。財政調整基金等は合併当時は7億円しかなかったが、今では42億円となり、合併時の起債残高120億円が今では70億円に。健全財政を保つ証しだ。 

いわくら・みつひろ
町では地方債発行額を毎年最高6億円と上限を定め健全財政に鋭意努めている。

hokuriku