県県土整備部河川整備課は「二級河川真亀川水系河川整備計画」をまとめた。計画では、東日本大震災に伴う津波被害を受けて、真亀川橋から龍宮堰(橋)までの1・4qで堤防のかさ上げ、護岸堤防などの津波対策を実施。また、洪水対策として、中橋から田間2区排水路流入部までの区間2・5qで築堤・掘削・護岸・橋梁改築などの河道改修を実施する。
河川整備計画の対象区間は、真亀川本川の15・4qと十文字川の2・8qを合わせた18・2q。計画期間はおおむね20年間。洪水による災害の発生と防止・軽減では、県内他河川との整備水準のバランス、土地利用と降雨や洪水の傾向等を総合的に勘案して、年超過確率10分の1の規模の洪水を計画高水位以下で流下させることを目標とする。
また、気候変動に伴い、計画規模を上回る降雨による洪水への対処も今後重要になることから、関係機関や流域住民との連携を図り、保水・遊水機能の保全及び活用に配慮し、総合的な治水対策により浸水被害の軽減を図ることとした。
計画津波に対しては、河川堤防等河川管理施設を計画・整備。さらに津波遡上区間では、浸水防止のための水門、樋門等の操作にあたり操作員の安全を確保するため、遠隔操作化や自動化等の対策を図るほか、必要に応じて耐震対策を実施する。
河川整備では、洪水による災害の軽減を図るため、年超過確率10分の1の流下目標の達成や、津波による災害の軽減、計画津波による越水の防止などを目的に洪水対策工事や津波対策工事を実施する。
洪水対策工事は、中橋(基準地点)から田間2区排水路流入部までの約2・5qを対象に、築堤・掘削・護岸等の河道整備と、洪水の流下に対して支障となる橋梁・堰の改築等の付帯工事を実施。
津波対策工事は、真亀川橋(主要地点)から龍宮堰(橋)上流の約1・4qを対象に、盛土や特殊堤による堤防かさ上げ・護岸及び付帯工事等を実施する。
河川工事により設置される河川管理施設の機能は、計画水位以下での河道疎通能力を中橋基準地点で毎秒80立方メートル以上、不動堂主要地点で同170立方メートル以上とする。中橋基準点での川幅は約39mで、計画高水位がTP+5・25m(堤防高TP+5・85m)、主要地点の不動堂が川幅約61m、TP+2・36m(同3・16m)、同じく主要地点の真亀川橋が川幅約73m、TP+4m(同4m)。
真亀川は、八街市付近に源を発し、途中、十文字川を合流した後、高倉川へ分流し、さらに北幸谷川を合流、九十九里町から太平洋に注ぐ指定延長約15・4q、流域面積82平方キロメートルの二級河川。流域では近年、上流部での市街化の進展による洪水流出の増大や先鋭化により浸水被害が発生している。