名古屋市上下水道局は、名古屋市瑞穂区にある瑞穂配水場の配水池の耐震補強に向けて、施工手法を2017年度に検討する。このため、「瑞穂配水場配水池耐震補強工事設計業務(その2)」を一般競争入札で中日本建設コンサルタント(名古屋市中区)に委託した。落札金額は5072万9700円。予定価格は6370万円だった。設計作業は18年度半ばまでかかるため、実際の工事発注は早くとも19年度になりそうだ。
この配水池の耐震補強を巡っては、16年度に補強設計を中日本建設コンサルタントに委託して実施していた。ただ、耐震性評価の段階で、当初想定していたよりも精緻な解析が必要になったことから、設計業務を改めて委託し、その上で対策工法を選定することにした。先行する委託業務の成果は、評価時の条件整理などに活用する。
配水池の所在地は瑞穂区瑞穂通1ノ27ノ4で、名古屋市博物館の地下にある。博物館の西側正面にある日本庭園と駐車場の地下に設置されているため、耐震補強工事の実施に際しては、可能な限り上部利用に影響の出ない手法を選定したい考えだ。
配水池は鉄筋コンクリート造で、有効容量は5万立方b。90b×30bの池が2基ある。地下式で、基礎は直接基礎となっている。
今回委託した設計業務では耐震性の評価に際し、時刻歴応答解析法による動的解析を基本とする。レベル2地震動(南海トラフを震源域とする最大地震)による配水池の変位量を踏まえて地震の波形を設定。3次元でモデル化し、水の挙動も考慮しながら解析する。耐震性の照査と合わせて施設の老朽化度も考え合わせて、施設の耐震性の総合評価を実施する。
評価結果を踏まえ、最適な補強工法を選定する。代表的な工法としては、コンクリートの増し打ちや、せん断補強鉄筋の設置、鋼板巻き立てなどがある。
配水先は瑞穂区と熱田区。工事中も配水を継続するため、2池を順番に補強する形で施工を進める。運用中の配水池に濁水が流入しないよう配慮した形で施工計画を策定する。
委託の履行期間は330日。このため、工事発注は早くとも19年度になりそうだ。
提供:建通新聞社