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　香川県教育委員会は、高松市サンポートに建設する、新県立体育館の整備に関する検討状況を県議会文教厚生委員会に報告した。同体育館を県内外から多数の集客可能な地域のシンボルとなる施設に整備するため、スポーツやイベントなどについて全国的な状況を熟知し知見を有する12人の専門家に委嘱し、アドバイザリーグループを設置。▽施設の仕様など▽動線、諸室▽にぎわい施設としての機能▽駐車場、周辺施設からの動線▽想定されるイベントなど―について意見を聴取した。
　一方、メインアリーナなどの各施設の規模と機能を決定する上で交流推進施設としての利用用途や、その利用頻度などをあらかじめ調査・推計する必要性から公募型プロポーザル方式で、みずほ総合研究所（東京都千代田区）を委託し８月から10月31日まで市場調査を進めている。
　同業務では収容人数５０００人以上の屋内施設のうち、新香川県立体育館で想定する利用形態と類似性の高い施設の規模、利用状況や収支状況などに関するアンケート調査を実施。コンサート利用やスポーツ利用などの需要を把握するため、関連団体からヒアリング調査を行い整理・分析を行う。この結果などを踏まえて需要予測の実施、施設整備と運営の両面で利用促進方策の検討を行いつつ、収支シミュレーションにより経済波及効果を算定する。
　県教委では今後、アドバイザリーグループとともにその他専門家からも意見を聴取し、市場調査結果を踏まえた、サンポートの立地上の優位性や素晴らしい眺望を生かし利用しやすく、デザイン性を含めた魅力ある施設となるよう、新県立体育館の基本計画を策定する。同計画策定後、早期に年度内に基本・実施設計に着手する考えだ。
　アドバイザリーグループから出た主な意見は次の通り。
【施設の仕様など】
　▽イベント等に使用する機材などを容易に搬出、搬入できるような工夫が必要。搬入口を複数確保し搬入路とアリーナ面との段差を解消、十分な間口の確保が重要
　▽アリーナ内部に大型車両が乗り入れ可能な仕様
　▽コンベンションなどで展示物を床に固定する際に固定金具（アンカー）を打設する場合もあり、コンクリート床が望ましい
　▽床の仕様はコンクリートが望ましい意見もあるが、木製フローリング床でも立地条件が良く、必要な会場スペースが確保されれば、イベント会場としての利用は見込める
　▽多様な会場レイアウトに対応できるよう、天井のフックを数多く整備し重量物でも対応可能な強度を確保することが重要
　▽Wi-Fi設備は整備しておく必要がある
　▽観客席の勾配を大きくしておけば、見やすく臨場感がある
【にぎわい施設としての機能】
　▽高松シンボルタワー、ＪＲホテルクレメント高松と連携し役割分担を考え、大型展示室などサンポート高松に不足する機能を付加することを検討してはどうか
　▽サンポートであれば眺めの良いところにカフェのようなスペースを整備することが良い。コンサート時の施設内レストランの必要性は低い
　▽サンポート高松の景観にふさわしい、デザイン性の優れた施設となることが望ましい

提供：建通新聞社