岡山県は2日、県庁舎耐震化整備事業に関する事業評価委員会を開催した。事業の目的や必要性、現状の課題や対応策などについて、有識者(委員会)を交えて意見を交換した他、庁舎内部の老朽箇所や手狭な執務環境などを実際に見て回った。
委員会のメンバーは、平野正樹岡山大学経済学部長、福原一義税理士・公認会計士、嶋田詠子岡山県建築士会副会長、高田美紀子岡山県商工会議所女性会連合会会長の4人。県が示した整備事業案に対しては、ほぼ全面的に賛成する考えを明らかにした。
同事業では、県本庁舎(本館)と議会棟(旧館)の耐震化と長寿命化を図る他、豪雨時の浸水被害から電気・機械設備を守るため、新エネルギーセンターを新築し、主要設備を移設する。また、警察本部を建設するために取り壊した県庁南庁舎に入っていた食堂も、本庁舎内で再開する計画だ(各工事の概要は9月27日付1面参照)。
2017年度で基本計画、18〜19年度で基本・実施設計をまとめ、20年秋に着工する予定。WTO(世界貿易機関)対象の一般競争入札として工事を発注する。入札は建築、電気設備、機械設備の3件。完成は23年度。総事業費は143億1900万円で、うち工事費は137億5600万円(消費税10%で試算)。県負担額のうち起債見込額は116億0800万円で、緊急防災・減災事業債55億2400万円(このうち70%は国の負担)も活用する。
なお、建て替えと比較すると、工事費は3割程度削減できる見通しだ。
「提供:建通新聞社」