高山市は、市と事業者の責務を明確にする新たな公契約制度案を示した。事業者は「労働環境報告書」の提出が義務付けられる。現在、これに対する市民意見を10月20日まで募集しており、調整後、2018年度当初からの運用を目指す。
事業者の経営の安定や公契約に関わる者の労働条件の確保、労働環境の整備などを狙い、基本的事項を定める。
今回基本理念として、「公正性や透明性、競争性」「適正な履行と品質」「労働者の適正な労働環境」「社会的責任の向上」「地域の発展に配慮」などを改めて示している。
この基本理念を踏まえ、公契約締結後に「労働環境報告書の作成と提出」と「公契約に従事する労働者の周知」の二つの新たな仕組みを設ける。
「労働環境報告書の作成と提出」は、予定価格が1000万円以上の工事と同500万円以上の測量、建設コンサルタントなどについて、労働環境の報告書を市に提出する。これを市が内容を確認、調査し、違反の疑いがある場合は是正を促す。これに従わない場合は契約解除や指名停止などの措置もあるという。
「公契約に従事する労働者の周知」は、適用される公契約の名称や労働環境報告書の内容、申し出の連絡先を雇用している労働者に周知する。労働者は、労働環境などの責務を履行していないと判断した場合は市に申し出できる。市はこの申し出の内容を調査し、違反などがある場合に是正を指導する。
市ではこれまで、さまざまな入札・契約制度の改革を行ってきた。これに加え、労働者の適正な労働条件の確保などをさらに進めていくことを目的としている。
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建通新聞社(2017/10/05)