金沢に残る伝統的で高度な職人の技の伝承と人材の育成を目指す金沢市の金沢職人大学校の入学式が4日、大和町の同学校内で開かれ、本科8期生と修復専攻科7期生の計91人が伝統技術の継承を誓った。
同校は1996(平成8)年、歴史的建造物や景観に関わる伝統技術の保全・継承と熟練技術者の育成を目的とした施設として全国で初めて開設。経験豊かな講師から技能を学ぶ本科(9業種)と、歴史的建造物を通じて未来へ伝えるための技術を学ぶ修復専攻科の2コースあり、ともに3年間で修了する。これまでに約570人が修了し、今回は本科8期生となる47人と修復専攻科の7期生44人が入学した。
式では、北浦勝学校長が「金沢は職人が伝統的にまちづくりに心血を注いできた。皆さんにも伝統的で高度な技を持つ職人になってほしい」とあいさつ。来賓の山野之義市長は「先輩方が築いてきた金沢の技の継承に尽力してほしい」と祝辞し、黒沢和規市議会議長、豊城浩行文化庁文化財部参事官もお祝いの言葉を述べた。
これに対し、入学生を代表して本科大工科の柿本康師さんが「伝統の技と職人としての心を磨き、このような学び舎で研鑽できる喜びを糧に、その名に恥じぬよう精進していきます」と力強く誓いの言葉を述べた。
式後には、豊城参事官による記念講演「古建築を知る楽しさ」も行われ、聴講者は熱心に耳を傾けていた。