名古屋市は、中川運河に架かる小栗橋の架け替えを検討している。建設から80年以上たった既設橋を改築し、最新の耐震基準に沿った新たな橋を整備する。同橋は幅員拡幅を盛り込んだ都市計画道路小栗橋線の一部を構成しており、同橋を含む区間は「整備優先路線」。一方、その前後の区間は「廃止候補」となっていることから、市は橋の架橋位置などを含めて精査する考えだ。
既設の小栗橋が架設されたのは1929年。鋼桁橋で延長70bの5径間、幅員10bとなっている。完成してから80年以上がたち、これまでは補修や修繕で対応してきた。老朽化への対応が必要な他、早期に耐震性を確保する必要があることから、架け替えを計画。2016年度には設計に先立つ予備的な検討作業を「小栗橋改築検討業務」としてアイエスシイ(名古屋市昭和区)に委託した。
また同橋を含め、都市計画道路小栗橋線の中川区月島町〜広川町1区間は、市が16年度にまとめた未着手都市計画道路の第2次整備プログラムで、整備を優先して進める路線にも位置付けられている。延長は250bで、既存幅員10・2bを幅員20bに拡幅する計画だ。概算事業費は25億円を見込んでいる。
一方で、同線のうち、橋の東西の区間は都市計画の廃止候補路線という位置付け。橋の西側は、同区愛知町に位置する延長430b区間が対象となる。また、橋の東側では、広川町1〜横堀町1に位置する延長340b区間が廃止候補路線となっている。10月には、西側区間を含めた付近の3都市計画道路の計画変更や廃止について、地元向けに説明する予定だ。
架け替えに際し市は、周辺道路との接続も考慮に入れながら、架設位置などを慎重に精査する考えだ。
提供:建通新聞社