岐阜県は新庁舎の基本設計案を公表した。行政棟が鉄骨造21階、塔屋2階建て延べ6万7600平方b。議会棟が鉄骨造6階建て延べ1万3700平方b規模となる。概算での事業費は現庁舎の解体や外構整備費を除き約500億円と算出した。また、県民サービス棟建設については、2期工事として現庁舎を取り壊した後に検討を開始する。
事業スケジュールとしては、今回公表した基本設計と県民意見をもと実施設計に入り、最短で2018年度下期に工事を発注する。19年度に着工し21年度中の完成を目指す。
計画としては、公園南側に行政棟と議会棟わ並んで配置する。その西側の現庁舎がある部分に県民サービス棟を新設する。また、アリーナ北側のグラウンドを駐車場に整備するとともに、県警本部庁舎の北側に1000台規模の立体・平面駐車場を整備する。
行政棟の1〜3階は来庁舎用スペースとして、案内や銀行などが配置される。4、5階と7〜19階が執務室で、6階が知事室や会議室となる。また20階は展望ロビーとし、屋上にはヘリポートを設置する計画だ。
議会棟は、1階にエントランスを置き、2階ロビーと行政棟が渡り廊下でつながる。3階が議員スペースで4階が傍聴できる委員会室、5、6階が議場と傍聴席の計画となっている。
構造計画としては、上部を「耐震間柱構造」とし、構造形式は内部空間に柱などの凹凸が出ない「アウトフレーム工法」を採用する。大きな地震が起きた場合でも建物を使用できることを目標に通常建築物の1・5倍の耐震性能とする。また、行政棟の免震システムは、「鉛プラグ挿入型積層ゴムアイソレータ」で地震エネルギーを吸収するとともに、揺れを抑えて早く止める「鋼材ダンパーか鉛ダンパー」装置との組み合わせを基本方針として採用した。
さらに設備では、電力・通信線の二重化や複数台の設備機器の設置でリスクを分散させる他、浸水対策として需要な電気・機械室を2階以上に配置する計画とした。この他、省エネに配慮し太陽光などの再生可能エネルギーを活用するなど、CASBEE最高のSランク建築とする。
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建通新聞社(2017/10/04)