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建設新聞社
2017/10/04

【東北】大型補正予算の早期編成など7テーマ/東北ブロック会議の議題決定/東北建協連

 東北建設業協会連合会(千葉嘉春会長)は2日、東北ブロック会長会議を開き、今月31日に秋田市の秋田ビューホテルで開く東北建設業協会ブロック会議の議題を固めた。この中では公共事業予算の安定的確保に加え、2017年度下期に大型補正予算を早期編成する必要性を指摘。また、国土交通省がまとめた「建設産業政策2017+10」の具体化を求めるほか、復旧・復興の着実な推進、改正品確法の適切な運用、地域間格差の解消、適正な利潤確保などをテーマに管内の主要発注機関と意見を交わす方針だ。
 東北ブロック会議は、東北地方整備局や東北6県・仙台市などの主要発注機関と東北建協連が、地域建設業を取り巻く課題やその対応を話し合う場となる。
 今回は議題として@国土強靭化基本計画に基づく計画的な推進と公共事業予算の増額確保A2017年度下期大型補正予算の早期編成B復旧・復興の着実な推進C改正品確法の適正な運用、地域間格差の解消D適正な利潤の確保E「建設産業政策2017+10」提言施策の具体化F地域建設業の戦略的広報―の計7項目を設定する。
 このうち公共事業予算の増額確保については、「国土強靱化の推進と地域の持続的発展のため必要不可欠」「地域を支える地場建設企業の健全な存続と雇用の維持、地域社会の発展に直結する非常に重要な施策」として、当初予算の段階で必要額が確保されるよう特段の配慮を要請。加えて、自然災害が多発する中で「近年、公共事業予算は微増であるものの、国土強靭化基本計画の推進に伴う予算措置がなされていない」として、地域創生の観点からも早急に17年度下期公共事業予算の大型補正を早期編成するよう求める。
 復旧・復興事業をめぐっては、復興歩掛り、復興係数、労務単価の引き上げ、見積活用方式といった被災地特例の継続や、前払金特例措置の延長などの必要性を強調。また、水害などの復旧に際し、各自治体で設計変更などがスムーズに行える環境の整備を訴える。 改正品確法の適正な運用に向けては、改正の趣旨や運用指針を自治体まで徹底させるほか、工事品質の確保、労働災害撲滅の観点から低入札価格調査基準のさらなる引き上げを要請。公共工事設計労務単価については、全国統一単価による地域間格差の解消を念頭に入れながら、ピークの1998年当時まで戻すとともに、現行労務費調査を唯一のものとせず、生活給や他産業の賃金状況などに即した単価となるよう抜本的改善を強く求める。
 適正な利潤確保に関しては▽発注・施工時期の平準化▽低入札価格調査基準の見直し▽適切な設計変更―について意見を交わす。このうち調査基準価格の見直しをめぐっては、一般管理費等を現行の0・55から0・90まで引き上げた上で、調査基準価格の設定範囲である70l〜90lを撤廃することを求める。
 「建設産業政策2017+10」提言施策を具体化する観点からは、▽「建設工事における適正な工期設定等のガイドライン」の順守▽生活給が安定的に確保される賃金確保や工期延伸に伴う実態に即した諸経費の計上▽社会保険等分の費用の別枠計上▽i―Constructionの推進▽工事情報共有システムを活用した業務の効率化―などを取り上げ、各発注者と意見を交わす。
 さらに「地域の危機管理産業」として重要な役割を担う建設産業や公共事業の本来の目的を一般の人々に理解してもらうため、官民一体となった総合的な対策に取り組むよう求める。


提供:建設新聞社