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西日本建設新聞社
2017/09/29

【熊本】被災地域へ拠点配置 震災ミュージアム有識者会議が県に報告書

 熊本地震の経験や教訓を後世に伝える震災ミュージアム(仮称)のあり方を検討していた有識会議(座長・柿本竜治熊本大学大学院教授、7人)は22日、「広範囲に点在する遺構等を連携した回廊型」「甚大な被害を受けた地域に拠点」を望ましいとする報告書を、蒲島郁夫知事に提出した。報告書を受けて県は、今年度中に整備方針を策定する考え。
 震災ミュージアム検討の有識者会議は、くまもと復旧・復興有識者会議の提言を受けて今年6月に設置。先進地視察や議論を重ね、震災遺構の保存・活用方法やミュージアムのあり方、運営方法などをとりまとめた。
 報告書によると、約30`にわたって断層が動き地表に現れたことを熊本地震の大きな特徴と指摘。震災ミュージアムは、この特徴を生かして点在する震災遺構や学習拠点を連携させ、それらを巡る「回廊型の仕組み」を推奨した。
 県は広域的視点から、市町村は各地域の実情に応じて、後世に向けたメッセージを発信する必要性を挙げた。その拠点は、県や市町村のテーマごとに設け、甚大な被害を受けた地域(熊本市、益城町、南阿蘇村、西原村)にあることが望ましいとしている。さらに「進化し続ける震災ミュージアム」として、出来るところから継続的に取り組むよう求めている。
 手交式で蒲島知事は「熊本ならではの震災ミュージアムのあり方を示してもらった。この報告書を踏まえ、地震の記憶・経験・教訓を確実に後世に残していきたい」と話し、取り組みを着実に推進していくとした。委員からは「予想以上に遺構や記憶の風化が早い。着手できるものから具現化していくようなタイムスケジュール等が必要」などの意見があった。

提供:西日本建設新聞社
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