近畿地方整備局福井河川国道事務所は、27日に福井県産業会館で開幕した「フクイ建設技術フェア2017」の同時開催イベント「フクイ建設技術講演会2017」で、ICT最前線と題し、i―Construction(建設現場の生産性向上)の取組みや、九頭竜川で国内初となる航空レーザ測量(グリーンレーザ)による河川測量の成果を紹介した。
会場には建設やコンサルタント関連業者ら定員を大幅に超える約230人が聴講に訪れ、関心の高さをうかがわせた。開会に先立ち、中村圭吾所長が「1年で2%の生産性向上が実現できれば、25年に生産性が2割向上する」など、i―Constructionの普及を呼び掛けた。
引き続き、同局企画部の板垣勝則総括技術検査官が「近畿地方整備局による生産性向上の取組み」について紹介。この中で板垣総括技術検査官がICT土工(H28近畿地方整備局管内)で起工測量から完全検査まで土工に係る一連の作業時間について、平均28%の削減効果が見られたことを挙げ、ICT土工活用工事の安全性が向上していることなどを報告。
さらに、福井河川国道事務所から山本一浩河川管理第一課長が「グリーンレーザによる河川測量の試み」を報告。水底部でも水中を透過するグリーンレーザを用いた航空レーザ測深(ALB)が汎用化され河川への適用が期待できること、河川管理への運用で橋脚周辺の洗掘状況も確認できることなどを紹介。
引き続き、「見えてきたi―Conの効果と課題」をテーマにパネルディスカッションも行われた。なお、きょう28日には東京大学名誉教授の養老孟司氏が「今、私たちは何をすべきか」をテーマに講演する。