公益財団法人日本サッカー協会(JFA)は27日、千葉市美浜区の県立幕張海浜公園内に計画している(仮称)JFAナショナルフットボールセンターの設計・施工者を、戸田建設と三菱地所設計のJVに決定したと発表した。2017〜18年で基本実施設計を行い、実施設計完了後に着工、20年の竣工・供用開始を目指す。JFAでは2月に技術提案・見積り依頼を行い、単体、グループ合わせて5者から提案があった。
(仮称)JFAナショナルフットボールセンター(以下、NFC)は、代表チームのトレーニングやメディカルサポートに加えて、トップクラスの指導者や審判の養成、国際交流及び国際貢献の拠点として計画されており、県立幕張海浜公園内に設置することで、15年9月にJFAと県が基本協定を締結している。
NFCの位置は、ZOZOマリンスタジアム東側の約10・8ha。当初の計画では、天然芝ピッチ(メイン)1面、同(サブ)1面、人工芝ピッチ(メイン)1面、フットサルコート(屋外)2面、ビーチコート2面、アリーナ1棟、クラブハウス1棟、駐車場(自家用及びバス)などを整備するとして、外構や造成、コンサルタント業務を含めた概算の建設費用を39・5億円としていた。
これを踏まえてJFAは、15年度に同センター建設に伴う整備基本計画策定業務委託に関するCM業務を山下ピー・エム・コンサルタンツ・オオバCM共同体へ委託。設計・施工一括発注とする方針を固め、今年2月に技術提案・見積り依頼を行った。
今後、建設を進めるにあたってJFAでは、当初の計画のうちフットサルコート(屋外)とビーチコートを取りやめるとともに、多目的に計画していたアリーナをフットサルアリーナに見直すなどした。また、2面計画している天然芝ピッチのうち1面は、ゴールキーパーの練習等による芝生の養生に配慮して、1・2面分の広さを確保する計画。
近く、同JVと建築設計・監理業務委託の契約を締結し、基本・実施設計に着手。実施設計完了後に改めて工事請負契約を締結するが、人工芝ピッチに関しては、JFAからの別途発注とする。さらに、将来的にはエリア内においてホテル等の宿泊施設の設置も検討する。
なお、県立幕張海浜公園内における今回のNFC及び賑わい創出に資する集客施設(計画)の設置に伴い、駐車場等の移設・改修や管理運営が課題になるとして、地元の千葉市はパークマネジメント体制による大規模公園の再整備・運営に関する事業手法調査を進めるとして、現在、委託先の選定に向けて公募型プロポーザルの手続きに入っている。
想定される事業スキームは、駐車場事業者を中心に県や千葉市、千葉ロッテマリーンズ、JFA、集客施設事業者等が駐車場利用、駐車場のイベント利用等の柔軟な施設管理、施設の更新などで連携しようというもの。調査の中で、パークマネジメント組織の設置や役割、施設の再整備プランなどを検討する。