東京都の小池百合子知事は9月26日に開かれた都議会本会議で、入札契約制度改革の実施方針に基づき6月下旬に財務局案件で開始した試行について「8月から開札が始まった。今後、案件を積み重ねながら検証作業を進めていく」と述べるとともに、検証に当たっては「例えば入札の参加者数や落札率の状況を見ていくことで、改革の効果が表れているのかを確認する」との考えを示した。さらに、「1年間の試行期間の中で、この改革をさまざまな角度から検証した上で、よりよい制度になるよう不断の見直しを進めていく」と強調した。増子博樹氏(都民ファーストの会)の代表質問に答えた。
増子氏は入札契約制度改革の重要性を認めつつ、中小零細企業への配慮などを求めた。
小池知事はまず、「より多くの事業者が入札に参加しやすい環境をつくり、競争性や透明性を高めることを主眼としている」と入契制度改革の目的を説明。対象の財務局案件で8月以降に開札が始まったことから、「今後、案件を積み重ねながら検証作業を進めていく」と述べた。
その検証に当たっては「例えば入札の参加者数や落札率の状況を見ていくことで、改革の効果が表れているのか確認する」と話し、予定価格の事後公表や1者入札の中止、低入札価格調査制度の運用範囲の拡大などによる影響を探っていく方針を示した。
また、中小零細企業の参入機会の拡大に向けては、「分離・分割発注の徹底を引き続き進める」と強調。さらに、「今回の入契制度改革でも予定価格の事後公表に関し、人手が限られている中小企業でもより正確な積算ができるよう、詳細な数量の提示、十分な積算期間の確保などの配慮を加えている」と答えた。
その上で、「入札契約制度に完璧な答えはないが、1年間の試行期間の中で、この改革をさまざまな角度から検証し、より良い制度になるよう不断の見直しを進めていく」との姿勢を示した。
提供:建通新聞社