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建通新聞社(中部)
2017/09/26

【愛知】都心へ施設誘導 名古屋市がまちづくりプラン案作成

 名古屋市住宅都市局は、駅を中心として都市機能の集約・立地を促す「なごや集約連携型まちづくりプラン」の案をまとめた。25日に開いた都市計画審議会立地誘導部会で提示した。市が独自に誘導を目指す施設として、ハイグレードホテルなどを盛り込んだ。市会での報告やパブリックコメントを経て、2018年3月にも正式に策定する。18年度以降、プランに盛り込んだ都市像の具体化に向けて、容積率緩和など都市計画上の手続きに着手する見通しだ。
 プランの骨子は、駅を中心として徒歩圏内に都市機能を配置する「集約連携型都市構造」をつくること。市内を大きく「拠点市街地」「駅そば市街地」「郊外市街地」「市街化調整区域」に分けて、それぞれに必要な都市機能や、立地を誘導する施設を設定している。
 プランの具体化で活用する枠組みの一つが、都市再生特別措置法の改正により創設された「立地適正化計画制度」。誘導施設の整備に対する容積率の緩和や税制・金融支援、誘導区域内での国の財政支援措置の重点化といった施策を活用し、民間施設や居住も含めて立地の改善を促す。
 拠点市街地は、JR中央線・東海道線・出来町通などで囲まれた都心域と、市内各地の公共交通の結節点。鉄道駅や基幹バス路線の周辺が駅そば市街地となる。日常生活を支える施設の充実や、既存住宅ストックの活用を促進する。
 都市再生特別措置法に基づく都市機能誘導区域を設定するのは、拠点市街地と駅そば市街地。1000平方b以上の文化・スポーツ交流施設、MICE施設、大学など。さらに、市では独自に誘導する施設として、外国人なども利用するハイグレードホテルや、外国語で対応可能な診療施設・保育施設を盛り込んだ。国際的なビジネス環境を高める狙いがある。
 都心・駅そば以外のエリアは郊外市街地として、ゆとりある空間や緑を保全する。同時に、洪水や津波、土砂災害といったリスクが広く理解されるよう取り組んでいく。
 今後、11月にも開く都市計画審議会でプランの答申案を確認し、12月市会で報告する。18年2月のパブリックコメントを経て3月にもプランを策定する。

提供:建通新聞社