厚生労働省東京労働局は、建設業における労働災害防止活動の取り組み状況について、完成工事高上位企業のうち東京都内に支店などを置く100社を対象として、2017年7月〜8月にアンケートした結果をまとめた。第12次労働災害防止計画期間中の取り組みによって、▽熱中症対策▽ハーネス型安全帯の普及▽高所作業自体が少なくて済むような工法や作業方法の採用▽職場巡視などを通じた不安全行動の排除―については大きく進歩したことが確認できた。その一方で、▽新規就業者に対する安全衛生教育▽安全衛生に必要な経費の積算▽職長などに対する定期的な再教育の実施―については進捗度合いが相対的に低いことも分かった。
建設業の店社は、災害の発生割合に関わりなく、ほぼ全ての店社で▽トップによる安全衛生方針の表明▽リスクアセスメントの実施▽災害原因の調査結果および再発防止対策の現場への周知―などに取り組んでいた。
特に、災害発生割合の低い上位20社では、▽職長などに対する定期的な再教育の実施▽リスクアセスメント結果の定期的な見直し(リスクレベルの再評価)▽災害発生原因と再発防止策の関係請負人を含めた労働者全員への周知―を実施している割合が高かった。
また、約半数の店社が過去5年間に安全衛生教育のコース、科目、時間数を増やしている一方で、災害発生割合の高い下位の20社の一部は、安全衛生教育のコースや科目、時間数を減らしていた。
リスクアセスメントは、災害発生割合に関わりなく、ほぼ全ての店社で実施しており、特に災害発生割合の低い上位20社では、リスクアセスメントの結果について随時1年以内に定期的な見直し(リスクレベルの再評価)を実施している割合が高いことも分かった。
提供:建通新聞社