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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/09/21

【茨城】区画整理事業へ前進/県が都計審で常総IC周辺を市街化区域に

 本年度2回目の県都市計画審議会(会長=中川喜久治県商工会議所連合会副会長)が20日に県庁で開かれ、アグリサイエンスバレー構想の進む常総IC周辺地区約34・1haの市街化区域への編入と、鬼怒小貝流域下水道の排水区域変更を原案通り可決した。県決定に併せ、常総市は同地区の土地区画整理事業決定や用途地域の変更、地区計画決定、公共下水道の変更を行う。
 常総市の旧水海道市である水海道都市計画区域は、ことし2月に圏央道が供用を開始し常総ICが設置されたほか、国道294号や関東鉄道常総線が通っている。
 今回市街化区域に編入するのは、常総IC周辺地区約34・1ha。この地区は常総ICと国道294号、県道土浦坂東線にそれぞれ一部接しており、常総市において農業の6次産業化を図るアグリサイエンスバレー構想の実現による新拠点整備を目的として計画が進んでいる。関東農政局など関係機関と協議が整い、関係地権者のおおむねの同意が得られるなど、組合施行による土地区画整理事業の実施見通しが明らかになったため、市街化区域に編入する。
 アグリサイエンスバレーは、常総ICを含む国道294号を東西に跨がる区域で計画。国道294号の東側を都市的土地利用エリア、国道の西側と一部東側の区域を農地的土地利用エリアに設定。今回市街化区域に編入する都市的土地利用エリアは、国道294号沿道に道の駅・直売所を、東側には農産物の食品加工を担う企業やマルチテナント型の物流施設を誘致するなどして、農業に係る複合型の産業拠点を目的とした土地利用を想定している。
 農地的土地利用エリアは土地改良事業を実施し、水耕作エリア、大規模園芸施設、チャレンジファーム、観光農園の整備を想定。2つのエリアによりバリューチェーンを構築、農業の6次産業化を実現する。
 県決定の市街化区域への編入と同時に、常総市は土地区画整理事業の決定、用途地域の変更、地区計画の決定を行う。土地区画整理事業は2014年11月に推進協議会を設立し、15年6月に基本協定締結。本年4月には推進協議会の中に土地区画整理組合設立準備部会が設置され、関係機関協議が整ったことから、市が組合施行の土地区画整理事業を決定する。施行面積は、市街化区域編入面積34・1haから圏央道用地などを外した30・7ha。用途地域は、34・1haを無指定から準工業地域とする。
 流域下水道の排水区域変更は、流域関連公共下水道である石下町公共下水道に接続する常総IC周辺地区が水海道都市計画区域にあることから、下妻市・筑西市・常総市の各一部と八千代町の3市1町で構成されている鬼怒小貝流域下水道の排水区域に水海道都市計画区域を追加し、併せて名称を変更するもの。
 この案件と同時に、常総市は公共下水道の変更を都市計画決定する。常総IC周辺地区から発生する汚水は、石下町公共下水道を介して鬼怒小貝流域下水道へ流入させ、鬼怒アクアステーションで適正な処理を行う。このため石下町公共下水道の排水区域を約260haから約294haに変更する。併せて公共下水道の名称を変更する。