愛媛県公共事業評価委員会(委員長・青野勝広松山大学元学長)が19日に開かれ、5件の事業を専門的観点からその必要性や効果などを審議し、5件とも事業継続を妥当と判断した。審議されたのは、JR松山駅付近連続立体交差事業(松山市)、都市計画街路事業来住余戸線(松山市)、道路改築事業国道197号八幡浜道路(八幡浜市)、同 夜昼道路(大洲市・八幡浜市)、地滑り対策石畳地区(内子町)。
JR松山駅付近連続立体交差事業は、2008年度に事業採択され20年度の完成が計画されていたが、高架橋建設用地の取得難航により、24年度完成に変更された。また労務単価・材料費の上昇や軟弱地盤対策の追加、周辺環境対策の変更、法令改正などへの対応により事業費が98億円増加し、全体事業費は484億円となった。
進捗状況は高架区間が17年度から高架本体工に着手予定で用地取得率は95%。行き違い線区間は17年度完成、北伊予改良区間は15年度に待避線の設置が完了し、電気設備工事を残すのみ。JR車両基地・貨物駅区間は17年度から基地施設の上屋工事に着手、19年度に完成する。
都市計画街路事業来住余戸線は、松山外環状道路インター線(自動車専用道路)の側道。県道松山伊予線との取付部で用地取得が難航し、当初15年度完成が延びている。用地取得に向け土地収用法に基づく手続きを進めており、19年度の完成を目指している。進捗率は91%。
国道197号八幡浜道路と夜昼道路は、地域高規格道路大洲・八幡浜自動車道として整備中。
八幡浜道路は、05年度から事業着手している延長3・8`。完成予定は22年度で、事業費は今回50億円増額され201億円となった。増額理由は松柏トンネルの膨張性地山に対する支保構造への変更に13億円、橋梁(郷高架橋)の設計見直しと架設設備増強に10億円、労務費・諸経費の上昇に12億円など。事業の進捗率は56・3%で17年度には郷高架橋上部工に着手する。事業が長期化しているのは一部用地取得が難航しており、土地収用法による手続きを進めている。
夜昼道路は、13年度から事業着手している延長4・2`。完成予定は25年度で事業費は今回60億円増額され144億円となった。増額理由は橋梁やトンネルの詳細設計完了に伴う構造決定で7億円、盛土から橋梁への変更で16億円、労務費・諸経費の上昇に21億円など。事業の進捗率は8・3%で17年度には大洲市側の用地買収を行う。
地滑り対策石畳地区は、09年度から農村地域防災減災事業で実施。総事業費4億3000万円。水抜きボーリングや集水井、杭工、水路工、暗渠工を富岡工区と東工区で整備しており、16年度末の進捗率は69・8%。残工事は富岡工区で水抜きボーリング2005bと抑止杭工29本。事業費は1億3000万円。20年度の完成を目指す。
提供:建通新聞社