君津市環境衛生課は、稼働後40年以上を経過し老朽化している「衛生センター」(戸崎2650―1)の更新について、循環型社会形成推進交付金を活用し整備する方針を固めた。昨年度でし尿処理施設整備基本構想を策定。本年度は循環型社会形成地域推進計画の策定作業を進めている。来年度で施設整備基本計画を策定するとともに、国に交付金を申請する予定。地域推進計画の策定は日本環境衛生センター(神奈川県川崎市川崎区四谷上町10―6)が担当。
施設の処理能力は日量60Kl(浄化槽汚泥55kl、し尿5kl)の計画。現施設の処理能力が100klで、これを下回るが、下水道整備が進むことや人口の減少などを考慮して設定した。更新では、新たに汚泥再生処理施設を整備する。
衛生センターは稼働から44年、設備更新からも13年を経過し、建物や設備が老朽化し、施設の維持管理費用が高額となっている。このため、施設の更新に向けた検討を開始。2015年度で基礎調査を実施し、@現有施設の状況把握及び課題の抽出A必要処理能力B施設整備に係る基本的事項C施設方針――について検討。昨年度は、施設の基本的な整備方針を定めるため、▽交付金の活用▽単独整備▽既存施設の活用▽全面更新――の4つについて概算建設費、ランニングコストを算出し、比較検討を行い、し尿処施設整備基本構想を策定。その中で、交付金を活用し整備する方針が示された。既存施設の活用と全面更新については、一部を活用しつつ整備するなど処理方法を検討する中で、さらに精査していく方針。
事業スケジュールは、順調なら来年度で交付金を申請し、19年度で着工。20年度までの2か年で整備し、21年度の稼働開始を目指す。
同センターは1973年4月に稼働。処理能力は日量100kl。処理方法は二段活性汚泥、湿式酸化方式。年間の処理量は、し尿が2040kl、浄化槽汚泥が1万8072kl。工事の施工は日立造船。水質規制に対応するため、04年度に改造工事を実施。同工事も日立造船が施工した。
同センターの敷地面積は4万7566・20u。建物は投入槽・建屋260u、貯留槽・地下室96u、管理棟331・5u、冷却ポンプ室・受水槽32・60u、ブロワー室50・80u、エアレーション・越流溝10・10u、滅菌室・逆洗ピット11・40u、第二ポンプ室建屋12・50u、倉庫(プレハブ)96・40u、工具室(同)20・30u、油脂室(同)8・60u、薬品庫8・10uなど。総床面積は943・80u。