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建設経済新聞社
2017/09/21

【京都】民泊独自ルール検討へ初会合 観光と市民生活両立めざす

 京都市は20日、京都市にふさわしい民泊の在り方検討会議(座長・宗田好史京都府立大学生命環境学部環境デザイン学科教授)の初会合を開催した。
 国会で成立した住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)の施行を控え、同法で明確に対応されていない課題等について、市は条例で措置することを検討しており、検討会議で議論を進める。特に住居専用地域や共同住宅などについて配慮する考え。
 初会合で市は論点を提示。1段階目として▽営業者等の要件等(行政指導の実効性を担保するための方法等)▽施設の要件(無許可営業を行っている施設・営業者への対応、新築物件の取り扱い、住宅宿泊事業法の届出施設で賃貸契約がなされている期間の把握)▽適正な施設管理の実施(特に家主不在型の苦情や問い合わせ等への対応、宿泊者との面接(本人確認)等)▽衛生の確保(設備要件等の設定)▽適正な廃棄物処理(事業系廃棄物として適正な処理の担保)、2段階目として▽共同住宅の設備構造・管理運営の要件等▽住居専用地域の営業日数の制限▽京町家の保全・活用と安全確保(京町家の利活用を進める施策、緩和策等)を示した。
 委員からは「自治会等のコミュニティがそれぞれの地域に応じた民泊のルールづくりに関わるべき。そのため規制だけでなく、まちづくり支援策も必要」「京町家を改修しても、賃貸より改修資金の回収期間が短い民泊になりやすい」「京町家を活用した民泊についてはまずは耐震化を図るべき」「新築物件は住宅として一定期間の実態があるところのみ民泊を認めるべき」などの意見があった。
      ◇
 大手仲介サイトの民泊登録数は京都市内で5460件あり、東京23区、大阪市に続き、全国の民泊(約5万5000件)の約1割が京都市に存在するとみられる。
 京都市が28年度に行った実態調査では、施設類型として市内の民泊は集合住宅・戸建てが2対1の割合。また簡易宿所の許可取得数も26年度は79件、27年度は246件、28年度は813件と急増している。
 そうした中、年間約2%の割合で取り壊されるなどしている京町家については、空き家率が14%を超えており、その活用が求められている。