南大隅町は、新庁舎建設向けた基本計画・実施設計策定業務を指名型簡易プロポーザルを導入し、業者選定を進めている。このほど、同町役場でプレゼンテーションおよびヒアリング審査会を一般公開で実施。一次審査を通過した県内3事務所がプレゼンに望んだ。本紙調べでは、畠中設計、武元順壱アトリエサンク、東条設計が参加したもよう。同町では9月中には契約したい考えでいる。外構や解体等を除く概算事業費は約13億円を見込む。
審査会では、各事務所が完成イメージ図をはじめ、ゾーニングや省エネ性、メンテナンス性などをスクリーンに表示して説明。友清貴和委員長ら8人の委員からは、現庁舎敷地内で工事となることを踏まえ、期間中の動線の考え方や多目的ホールの休日利用におけるセキュリティ、周辺にある関連施設との連携などについて質問があった。
各事務所の提案をみると、A案は、シンボリックタワーが特長で、北側に住宅地があるため、3階部分をセットバックしている。B案は、シンプルかつフレキシブルな外観や中央部は3層吹き抜けがある。C案は、風が通り抜ける庁舎がコンセプト。この案だけが多目的ホールを1階に配置している。
建設場所は、現敷地の東側。建物のほかに、公用車や消防車等の車庫も併設する。完成後に既存庁舎を取り壊し、跡地は駐車場となる。建物規模はRC造3階建て、延べ面積は3800u以内を想定。10月から委託業者の設計案を基に町民らの要望等を集約。17年度内の実施設計を完了させ、18年度に着工して合併特例債の活用期限となる19年度内の完成を図る。
現庁舎は築43年が経過して老朽化が進み、診断の結果、すべての階で耐震不足と判定されている。