指宿白水館(下竹原啓高社長)の耐震改修計画は、磯客殿と薩摩客殿を9月に完了させ、花の棟は、NHK大河ドラマ「西郷どん」の放映が終了したあとの2019年3月ごろの着手、20年2月ごろの完了を目指す。竹中工務店が設計・施工を担当。総事業費は5億円強を見込んでいる。
同館は、指宿市知林の里で、敷地面積は約16万5000u。客室は離宮など4施設で205室。このうち、磯客殿(20室)、薩摩客殿(67室)、花の棟(77室)が、改正耐震改修促進法による1981年以前の旧耐震基準で、不特定多数が利用する大規模建築物の耐震診断が義務付けられた施設の対象となっていた。
花の棟は、RC造7階建4810u。外付けフレームによる補強で、各室のベランダを避けて設置する計画となるが、場合によっては、ベランダを取り壊して、窓からの景色を楽しめるように広く確保することも考えている。
また、磯客殿はRC造3階建1758u、薩摩客殿はRC造7階建1万1529uで、柱補強で耐震性が確保できることから、先行して着手した。
下竹原社長は、6月に開かれた創業70周年祝賀会では、同館の今後の方向性について、耐震改修のほか、高単価のスイートルームやコシノ・ジュンコ氏によるデザイナーズルームなどの改修計画などにも触れている。