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日刊建設工業新聞
2017/09/19

【鳥取】県土整備部・ICT試行の初工事に着工・作業の効率性など検証

 県土整備部が試行するICT(情報通信技術)土工の初工事は、田中組(岩美町)の施工で着工する見通しになった。15日、「発注者指定型」として入札した塩見川広域河川改修工事(3工区)で、同社が落札候補者に決まった。同部は年度内にかけて現場作業の効率化などについて効果を検証する。
 県版ICT土工の実施要領は8月に策定。建設生産プロセスの▽3次元起工測量▽3次元設計データの作成▽ICT建機による施工▽3次元出来形管理の施工管理▽3次元データの納品−まで全工程にわたりICT技術を活用する。
 試行の対象は土工規模おおむね5000立方b以上、予定価格5000万円以上とし、インセンティブに工事成績加点や必要経費を発注当初から計上することなどを盛り込んでいる。
 鳥取市福部町細川の塩見川河川改修は、河道を拡幅するための掘削工で土量は1万2800立方b。きょう19日、施工者が正式に決定する。
 国交省は「i−Con」の普及で自治体が発注するモデル事業を支援することにしており、県発注の塩見川改修のほか、国道313号倉吉関金道路の路体盛土(28日入札)の現地にICTのノウハウを持った専門家を派遣。施工計画の立案や3次元データの作成、有効なICT建機の提案などの段取りをサポートする。
 県土整備部では今後、「施工のメリットのほか、受・発注者間の連携が上手くいくか問題点を整理する」(技術企画課)と説明。また「施工後、維持管理の面でも効果があるか分析してみたい」(同課)と話している。

日刊建設工業新聞