独立行政法人国立病院機構の徳島県内における2病院が計画している病院施設の大型案件整備について、両病院はいずれも事業を中止することを決めた。詳細な理由については明らかにしていないが、地域性における単価の不合理などが顕著となっている中で機構本部が中止の決定を下した(病院側)とする一方、採算性を重視した結果、独立採算の病院側が最終的に判断した(機構本部)との説明もある。いずれにしても両事業はいったん白紙となった。事業をやり直す場合、設計自体から発注し直す場合もあるという。
2病院は「東徳島医療センター」(板野町)と「徳島病院」(吉野川市)。東徳島医療センターは「外来管理棟建替整備工事」を2016年度からの工事で計画。徳島病院は「外来管理治療棟等建替整備工事」を17年度から計画していた。
これまでの経緯について、東徳島医療センターは、当該工事の建築工事を16年度に2回入札執行し、いずれも不落に終わっていた。電気と機械の設備工事は1回目の入札で電気を四電工が3億5500万円、機械をフソウが5億4480万円でそれぞれ落札し契約していたが、今回の中止の判断を受けて現在違約金の支払い手続き(協議)を進めている。
新外来管理棟の規模は鉄骨造3階建て延べ約6500平方b。建築工事には延べ約700平方bの既存改修、延べ約7300平方bの既存建物解体工事も含まれていた。また、設計は中林建築設計事務所(島根県出雲市)が担当していたが、事業をやり直す場合、設計から外注し直すことになるとしている。施工場所は板野町大寺字大向北1ノ1。
一方、徳島病院は、当該工事の入札を既設(旧病棟)解体工事と本体工事とを一括して第2四半期にも建築、電気、機械に分離し発注、年内の入札執行を目指していたが、公告手続きすら行わず、中止を決めた。設計も一部は完了していたものの、途中で中断していた。
外来管理治療棟の計画規模は鉄骨造3階建て延べ約8730平方b。既設の旧病棟を解体し、同棟の新築と既設病棟の改修を図る。一連の工事を19年春までに完了させる計画だった。建物の基本・実施設計(工事監理業務含む)は内藤建築事務所(京都市左京区)が担当していたが、事業を再開する場合、この設計内容を反映させるのか、白紙に戻すかの判断は今後行う考え。施工場所は吉野川市鴨島町敷地1354。
提供:建通新聞社