香川県は古川水系(東かがわ市)、詰田川水系(高松市)と一の谷川水系(観音寺市、三豊市)―3水系の河川整備計画原案をまとめた。9月15日から同計画案に対する県民からのパブリック・コメント(意見公募)を実施する一方、関係住民説明会や学識経験者懇談会などの意見を原案に反映。関係4市からの意見を踏まえ、2017年度内に3水系の河川整備計画を策定する。いずれも、今後、おおむね20年から30年間の河川整備目標に加え、河川工事の場所、河川管理施設の機能、河川維持など実施に関する事項を定めている。近年の降雨規模で発生する洪水を安全に流下させる治水対策や、近い将来発生が予想されている南海トラフ巨大地震などに備えた河川津波対策などを盛り込んだ。
古川水系の河川整備計画原案によると、対象区間は上流の本川左岸、東かがわ市引田迯田1011、古川右岸、迯田1009から下流端(海に至る)2・48`。河川工事の施工箇所として、河道整備区間は上流部椛谷上橋から下流側の古川ポンプ場付近まで延長1・5`。河口部古川防潮水門までの地震・津波・高潮対策区間を含むと延長1・87`となる。整備期間はおおむね20年間。
治水対策の整備目標を「年超過確率5分の1」の降雨で発生する洪水を安全に流下させることとし、河道を整備(河道拡幅、護岸改修)する。河口部は高潮と「計画津波」に対し必要な堤防整備に加え、地質調査と堤防耐震検討による液状化対策の他、構造上の工夫による関係自治体とのまちづくりと一体となった減災対策を推進する。具体的な対策工法は整備計画を踏まえ、今後検討することになる。
河道整備区間には既存構造物として、椛谷上橋、椛谷橋、中央1号橋、JR橋、引田橋(国道11号)などがある。
【詰田川水系】
対象区間は▽本川詰田川―左岸、高松市元山町1080ノ5から河口(海)、右岸、同1029ノ2から河口(海)のいずれも4・7`▽1次支川、御坊川―左岸、高松市一宮町新開1869ノ6から詰田川合流点。右岸、一宮町作島503ノ4から詰田川合流点のいずれも9・5`▽2次支川、古川―左岸、高松市一宮平塚959ノ5から御坊川合流点。右岸、三名町白銀658ノ1〜5から御坊川合流点の各3・7`▽1次支川、宮川―左岸、高松市木太町5111ノ16から詰田川合流点。右岸、木太町平塚188ノ1から詰田川合流点の各2・6`。
整備期間はおおむね30年間。南海トラフなどの巨大地震に備えた対策を盛り込んだ。
詰田川と御坊川の計画対象区間で治水対策の整備目標は2004年(平成16年)10月洪水と同規模の洪水を安全に流下させることにしている。
本川の札場水門から河口部は、高潮・大規模地震、津波による被害防止と軽減を図るための高潮、「計画津波」に対して必要な堤防整備や堤防等河川管理施設の耐震補強などの対策を講じる。
【一の谷川水系】
対象区間は▽本川、一の谷川―左右岸、観音寺市中田井町天神岡891ノ2から河口(海)まで7・1`▽1次支川、加儀田川―左右岸、観音寺市出作町池田814ノ2、1から一の谷川合流点2・7`▽2次支川、軍川―左右岸、観音寺市出作町二十1ノ1から加儀田川合流点0・5`▽1次支川、藤の木川―左右岸、観音寺市古川町南下1112の2、1から一の谷川合流点1・7`。
計画対象区間は6・32`で河道改修区間は流岡橋から上流部の未改修区間1・52`。これに河口部の地震・津波対策区間を含む。治水対策整備目標は年超過確率30分の1の規模の降雨で発生する洪水を安全に流下させることにする。河道拡幅や河床掘削、護岸改修や、河口部で高潮・大規模地震、津波による被害防止と軽減を図る堤防整備や堤防等管理施設の耐震対策などの必要な対策を実施する。河川改修区間には流岡橋、国道11号橋梁区間、天神股用水堰、横田股用水堰の他、10橋の無名橋がある
提供:建通新聞社