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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/09/14

【茨城】県が八間堀川上流改修へ

 県議会土木企業委員会(先ア光委員長)は13日、県西地区の県内調査を実施した。今回は、筑西土木事務所が本年度中の一部供用を目指す筑西つくば線バイパスのほか、常総工事事務所が進める国道294号の4車線化整備、鬼怒川や谷和原筑西線など関東・東北豪雨での被災箇所の復旧状況、八間堀川の堤防復旧や河川改修工事、境工事事務所管内における女沼川の中央排水路伏越工事を視察。県企業局が整備した水海道浄水場の高度浄水処理施設と非常用自家発電施設も見学した。
 まずはじめに一行は、主要地方道筑西つくば線バイパスの交差点部で整備状況を視察した。
 筑西つくば線では、現道の幅員が狭く、歩道もないため、1997年度から筑西市村田〜中根までの6・96qについてバイパス整備に着手している。沿線にはつくば明野工業団地があり、ファナック鰍フ進出によって今後の交通量増大が予想される。
 これまでにつくば真岡線〜下妻真壁線までの1・7qを供用。本年度は下妻真壁線〜筑西つくば線(現道)までの2・18qについて、暫定2車線での供用開始を目指し、交差点部の工事や舗装工事を推進していく。昨年度末時点の進捗率は43%で、事業費は約73億円。
 続いて常総工事事務所管内に移動し、車内から国道294号の4車線化工事を視察。
 同事業は全体延長27・5qで、常総工事務所所管分は22・5q。現在までに約20・1qの4車線化が完了している。圏央道の県内全線開通などにより交通量が増していることから、残る常総市小保川地内の約0・8qと下妻市下宮地内の約1・6qについて4車線化を進めていく。昨年度末までの進捗率は94%で、事業費は約135億円。
 その後、水害から2年を迎える鬼怒川の堤防決壊現場周辺で、復旧した堤防や谷和原筑西線を視察。一級河川八間堀川では決壊2カ所と法面崩壊2カ所を含む下流部の一連区間(L1・17q)の堤防復旧状況を確認した。同区間の改修はことし7月に完了している。
 八間堀川では下流部工区の完了に伴い、今後、上流部となる千代川工区(L4・65q)の河川改修を推進する。本年度は常総市の市道3号橋の取付道路工事、下妻市の市道7号橋改築に伴う迂回路設置工事を行うほか、上流部への整備延伸を図っていく。
 その後、一行は県企業局の水海道浄水場を訪れ、高度浄水処理施設と非常用自家発電設備を見学。高度浄水処理施設は、利根川浄水場に続き県内2カ所目の導入で、オゾン処理と生物活性炭処理により企業局の目標値のかび臭5ng/L以下を安定して達成している。事業費は約28億円。
 最後に視察した一級河川女沼川では、浸水被害軽減を目的に進める中央排水路立体交差部の改修状況などを確認。女沼川の上流域では市街化が進み、雨水の流出量が増加しており、関東・東北豪雨の際には溢水などにより浸水被害が発生した。流下能力を向上させるため、現在は立体交差部の伏越工事、古河市道橋の架設などの河川改修(L5・5q)を推進している。
 また、国土交通省利根川上流河川事務所が2018年度末完成をめどに進める利根川合流点の釈水水門新設に伴い、取付区間の改修と上流側の整備を実施していく。昨年度末までの進捗率は48・2%で、事業費は約56億円。