愛知県西三河農林水産事務所は、2017年度からの新規事業として、事業費9億3200万円(事務的経費除く)を投じる「たん水防除事業室場南部地区」に着手する。西尾市花蔵寺町地内に新たな室場南部排水機場を新設し、現在の室場南部排水機場と室善排水機場を廃止する。この事業の調査測量設計業務を9月中に指名競争入札する予定でいる。
新設する排水機場のポンプは、立軸斜流ポンプで口径が900_、原動機はエンジン、出力110`hを1台と、立軸斜流ポンプで口径が900_、原動機がモーターで出力103`hの1台の計2台。合わせた排水能力は毎秒3・5立方b。また、室場南部排水樋管(幅1・75×高さ1・75b)1門を整備する。
一方、既設の室場南部排水機場と室善排水機場、室善排水樋管は廃止し、既設の室場南部排水樋管(幅1・8×高さ1・8b)1門は残す。
事業スケジュールによると、17年度に調査測量設計を行い、機場工を18年度と22〜23年度で、建屋工を19年度に、機械工を20〜21年度、樋管工を22年度、撤去工を22〜23年度に予定している。23年度の事業完了を目指す。
室場南部地区では、1972年に県営たん水防除事業西尾東部地区として事業が計画され、75年に室善排水機場(横軸軸流口径800_1台、排水能力毎秒1・26立方b)が設置された。
86年には県営たん水防除事業室善地区が計画され、90年に室場南部排水機場(立軸斜流口径1000_1台、排水能力毎秒2・35立方b)が設けられた。
その後、流域の開発による流出量の増加や、排水機場の経年変化による機能低下で排水状況が悪化。この対策として、たん水防除事業を計画し、排水機場を建て替え、たん水被害を未然に防止するとともに、施設の耐震性を向上させ、農業経営と民生の安定を図る。
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建通新聞社