国土交通省木曽川上流河川工事事務所は、洪水などの災害に備え、長良川に遊水地を整備する計画だ。現在、木曽川水系流域委員会の中で候補地を絞り込むなど河川整備計画の変更に向けて協議を進めている。
木曽川水系河川整備計画は、2008年に策定し、毎秒約200立方bの流量低減を見込む遊水地などを整備することを盛り込んだ。位置や仕様など詳細は今後検討するとしていたが、策定から10年が経過するため、計画を見直し、具体的な位置などを盛り込むことにした。現計画での目標流量は、毎秒8100立方b。河川整備により対応する流量が毎秒7700立方b。残りは遊水地で毎秒200立方b、岐阜県が施工している内ケ谷ダムで毎秒200立方bをカバーする予定だ。流量の基準地点は忠節橋。
遊水地の候補地は、美濃市の横越地区の他、関市の池尻地区、小瀬地区、下白金地区、保戸島南地区、岐阜市の溝口地区などが挙がっている。
横越地区は、6カ所のうち最上流部に位置している河道内の中洲となっている敷地。活用する面積は約19fで、容量が約90万立方b。掘り下げた場合は約140万立方b。
池尻地区は、小瀬地区の対岸。開口部を締め切ることで遊水機能を持たせる。面積は約19fで容量が約55万立方b。掘り下げた場合は約90万立方b。
対岸の小瀬地区は、予定地内に工場が立地している。開口部を締め切る。面積は約26fで容量が約70万立方b。掘り下げた場合は約90万立方b。
下白金地区は、支川の津保川と分派中の今川に挟まれた地区で津保川側の開口部を締め切る。面積は約12fで、容量が約15万立方b。掘り下げた場合は約60万立方b。
保戸島南地区は、長良川、今川、津保川に囲まれた地区で長良川側の開口部を締め切る。今川に分派しているため分派のコントロールが必要となる。面積は約19fで容量が約40万立方b。掘り下げた場合は約110万立方b。
溝口地区は、道路盛土で計画高水位まで敷高が確保されている。しかし、計画上堤防として扱えない。開口部を締め切った場合、長良川本川に面しているが、分派中のため、コントロールが必要となる。面積は約40fで、容量が約85万立方b。掘り下げた場合は約160万立方b。
これら6カ所の候補地から絞り込み、流域委員会に諮りながら河川整備計画を変更する。
提供:
建通新聞社(2017/09/15)