高知県は5日、工事を中断している「はりまや町一宮線(はりまや工区)」のまちづくり協議会で、並行する新堀川の希少生物に配慮し、現行の計画より川面のオープンスペースを拡大する見直し案を二つ提示した。今後、パブリックコメントの実施や複数回の協議会を経て、2017年度内を目標に工事再開か中止かを最終判断する。
対象区間は、国道32号かるぽーと前交差点から、はりまや橋小学校北東角までの延長283b。現行計画では、2車線の現道を全幅27bの4車線道路に拡幅し、並行する新堀川の川面幅が狭まる。
これに対し見直し案では、道路を可能な限り西側に寄せ、植樹帯と路肩の幅を縮小、全幅を24bにする。その上で、第1案では、横堀公園の一部を削り川面を拡大。第2案では、これに加え道路東側にある歩道の一部を新堀川対岸の市道に変更する計画を示した。第1案では、現計画より川面オープンスペース面積が966平方b、第2案では1299平方b拡大される。
県では、これらの見直し案を含めた整備の在り方について、今後パブリックコメントを実施する。次回以降のまちづくり協議会では、パブリックコメントで寄せられた意見などを踏まえ、交通状況やまちづくりの面から見た工事中断区間の道路整備の在り方、新堀川に生息する希少動植物などの保全・水辺の活用、新堀川周辺の史跡などの保全・活用について検討を進め、県に提言書を提出する。
同工区は、1995年に都市計画決定され、00年11月に事業認可を受けた。しかし、新堀川に生息する希少生物などの自然環境を配慮し、新堀川を覆うことへの反対意見が続出、6年間工事が中断している。県では、協議会から提出された提言書を基に、年度内をめどに工事を再開するか、事業を中止するかの結論を出す予定。
提供:建通新聞社